エアコン「除湿」の電気代は「冷房」より安い?節約方法もご紹介

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エアコンの除湿設定は、梅雨など湿度が高い時期に役立ちますが、涼しい空気も出してくれるため、冷房としてつかう方も少なくありません。では、除湿と冷房は、どちらが電気代を抑えられるのでしょうか。

ここでは、除湿と冷房の役割や電気代の違いを、エアコンの電気代のシミュレーションを交えながらご紹介します。併せて、エアコン代を節約しながら快適な室温を保つ方法も見ていきましょう。

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目次

エアコンの電気代は一般的にどれくらい?

一般的なエアコンにかかる電気代は、どれくらいなのでしょうか。
1時間あたり、また1か月あたりの電気代をシミュレーションした上で、除湿と冷房のどちらがより費用を抑えられるのかをご紹介します。

エアコンの1時間あたりの電気代は、次のように算出できます。
消費電力(kW)×1kWhあたりの電力量料金単価(kWh/円)=1時間あたりの電気代

  • kWh(キロワットアワー)…1kWの電力を1時間(h)に消費する電力量のこと。

また、1か月あたりのエアコンの電気代は、次のように算出します。
1時間あたりのエアコンの電気代×1日あたりの使用時間×1か月の使用日数=1か月の電気代

上記の計算式を使って、エアコンの電気代をシミュレーションしてみましょう。
今回は、消費電力が600W、1kWhあたりの電力量料金の単価が31円(税込)の場合を想定して算出します。

電力量料金の単価は契約先の電力会社やプランによって異なりますが、ここでは、公益財団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が、全国の電力料金を踏まえて目安単価として設定した金額を使用しています。

1時間あたりの電気代

まずは、消費電力の単位を「W(ワット)」から「kW(キロワット)」へ変換します。
1kW=1,000Wのため、600Wを1,000で割りましょう。
600W÷1,000=0.6kW

この消費電力に、1kWhあたりの電力量料金単価を掛けます。
0.6kW×31円/kWh=18.6円

今回のシミュレーションでは、1時間あたりのエアコンの電気代は18.6円ということになります。

1か月あたりの電気代

1か月あたりのエアコンの電気代は、先ほど算出した1時間あたりの電気代に、1日あたりの使用時間と使用日数を掛けて算出します。
ここでは、1日に10時間、30日使用した場合を想定して計算しましょう。

18.6円/1時間×10時間×30日=5,580円
この場合、1か月あたりのエアコンの電気代は5,580円ということになりました。
なお、ここで計算したのはエアコン1台分にかかる電気代です。複数台使っている場合は、使用している台数分の電気代を計算する必要があることを、忘れないようにしてください。

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除湿の電気代は冷房より安い?

エアコンの除湿と冷房とでは、どちらがより電気代を抑えられるのでしょうか。

ここで理解しておきたいのが、エアコンの除湿機能には「弱冷房除湿」「再熱(さいねつ)除湿」「ハイブリッド除湿」の3種類あり、それぞれ電気代も異なることです。
3種類の除湿機能に冷房も加えて電気代の安さを比較すると、次のようになります。
弱冷房除湿 ≒ ハイブリッド除湿 < 冷房 < 再熱除湿

弱冷房除湿とハイブリッド除湿は冷房よりも電気代が安い一方で、再熱除湿は冷房よりも高くなるため、「除湿の方が冷房よりも安い」と断言することはできません。
そこで、3種類の除湿機能それぞれの特徴を確認しておきましょう。

弱冷房除湿

弱冷房除湿とは、湿度を目標値まで下げるために、微弱な冷房運転を続ける機能。除湿と冷房を同時に行うため、除湿でも涼しく感じることがあります。

しかし、あくまで湿度を下げることを目的としているため、気温がとても高くなる真夏には冷房の方が効率よく部屋を冷やせます

再熱除湿

除湿のために室内機の中で空気を一度冷やし、下がりすぎた空気を暖めて室内に戻す機能が再熱除湿。部屋を冷やさずに除湿できる点で、弱冷房除湿と異なります。

再熱除湿は一度下げた温度を暖める分、消費電力が特に大きくなります。ほかの機能と比べて電気代が高いのはそのためです。

ハイブリッド除湿

ハイブリッド除湿は、冷却した空気を部屋の空気と混ぜて、室温に近付けた状態で送風する機能。部屋の空気を利用して温度を調節するため、再熱除湿よりも消費電力が少なく、電気代も抑えられます

■エアコンの冷房・除湿機能の比較
エアコンの冷房・除湿機能の比較表【冷房】機能:室温を下げる/消費電力:中【弱冷房除湿】機能:微弱な冷房運転を続ける/消費電力:低【再熱除湿】機能:室内機の中で空気を冷やして除湿し、下がりすぎた空気を温めて室内に戻す/消費電力:高【ハイブリッド除湿】機能:冷却した空気を部屋の空気と混ぜ、室温に近付けた状態で送風する/消費電力:低

使用しているエアコンの除湿機能がどの種類なのかは、その製品の取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認できます。
除湿機能の名称もメーカーによって異なることがあるため、違いを把握した上で、用途やシチュエーションに応じてつかいわけられるようにしましょう。

なお、この除湿と冷房の電気代の比較はあくまで目安であり、実際のエアコンの電気代は室温と設定温度の差によって変動します。
そのため、「冷房の方が高い」「除湿だから安い」と断言することは難しい点に留意してください。

エアコンの電気代を抑えるには、除湿と冷房を上手につかい分けることがポイント。詳しくは、次項でご紹介します。

エアコンの電気代について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

エアコンの電気代はいくら?計算方法や節約方法などを解説

賢くエアコンをつかうには、まずは実態を知ることが大切です。電気代の計算方法やエアコンの平均的な電気代のほか、電気代の節約方法などについて解説します。

除湿と冷房のつかい分け方

エアコンの除湿と冷房には、それぞれ使用が適しているシチュエーションがあります。上手につかい分けることで節電・節約につながるため、各設定の違いと併せて見ていきましょう。

■除湿と冷房の役割の違い
除湿 冷房
役割 ・湿度を下げる
・一般的な除湿機能「弱冷房除湿」は弱冷房で運転し、徐々に湿度を下げる
・部屋の温度を下げる
・部屋の空気中の湿気を排出するため、除湿機能も兼ね備える
除湿 冷房
役割 ・湿度を下げる
・一般的な除湿機能「弱冷房除湿」は弱冷房で運転し、徐々に湿度を下げる
・部屋の温度を下げる
・部屋の空気中の湿気を排出するため、除湿機能も兼ね備える

除湿と冷房の違い

まずは、エアコンの除湿と冷房の違いについて確認しておきましょう。

・除湿

除湿は湿度を下げることを目的としています。一般的な除湿は「弱冷房除湿」と呼ばれる機能で、冷房と同じ仕組みで室内湿度を下げます。

冷房は素早く室温を下げることを目的としていますが、除湿は湿度を取り除くことを最優先にしているため、急激に部屋を冷やさないように弱冷房で運転し、徐々に湿度を下げていきます。

・冷房

冷房は部屋の温度を下げることが目的。空気を冷却する際は、温度の急激な低下によって生じた結露水が室外へ排出されます。

部屋の空気中の湿気を排出することになるため、実は冷房も除湿機能を兼ね備えているのです。

除湿がおすすめのシチュエーションや時期

3種類ある除湿機能は、次のようにつかいわけるといいでしょう。

・弱冷房除湿

弱冷房除湿は、部屋の湿度と温度の両方を下げたいときに適しています。梅雨などの蒸し暑い時期におすすめです。

・再熱除湿

再熱除湿は冷風が出ないため、湿度を下げたいけれど気温が低い日や、体を冷やしたくない就寝時などに適しています。
なお、真夏に再熱除湿を使うと、室温が下がらない上に電気代も高くついてしまうため注意しましょう。

・ハイブリッド除湿

ハイブリッド除湿機能を搭載したエアコンなら、再熱除湿よりも電気代を抑えられます。湿度を下げつつ、部屋を冷やしたくないときに重宝します。
ただし、再熱除湿と同様に真夏の使用は避けた方がいいでしょう。

冷房がおすすめのシチュエーションや時期

温度を下げることを最優先する冷房は、やはり気温が高い真夏の時期に向いています。タイマー設定や自動運転機能も活用して、部屋の冷やしすぎに注意しながらつかいましょう。

エアコンの電気代の節約方法

エアコンの電気代は、除湿と冷房のつかい分けのほかにも、さまざまな方法で節約することができます。
ここでご紹介する10個の方法でエアコンやほかの家電の使い方を見直して、省エネで快適な室温を保つようにしましょう。

1 気温や湿度に合わせて除湿と冷房をつかい分ける

電気代が安いからという理由で弱冷房除湿だけをつかっていると、気温の高い日はなかなか室温を下げられず、効率よく部屋を冷やせないまま消費電力が増えてしまいます。
「部屋の湿度を下げたい」「冷やすのを最優先にしたい」といった目的に応じて、除湿と冷房をつかい分けることがポイントです。

暑さも感じる梅雨の時期や、蒸し暑い日に洗濯物を室内干しする場合などは、適度に室温を下げつつ湿度を取り除くことを優先する弱冷房除湿をつかうといいでしょう。
また、湿度を下げたいけれど気温が低い日や、体を冷やしたくないときは、冷風の出ない再熱除湿やハイブリッド除湿が便利です。
一方、真夏の気温が非常に高い日は、冷房の方が効率的に部屋を冷やせます。

2 自動運転にする

気温の高い日は、エアコンを弱風や微風で使い続けるよりも、自動運転機能を使った方が電気代を抑えられるでしょう。

風量の弱い設定で冷房をつかうと室内が設定温度になるまで時間がかかり、消費電力がかさんで電気代が高くなる可能性があります。
その点、自動運転なら設定温度に下がるまでは強風で運転し、部屋が冷えたタイミングで微風や弱風に切り替えてくれます。効率よく稼働するため、無駄な電力を消費することがありません。

また、風量設定をこまめに変えると、そのたびに無駄な電力を消費して電気代も高くなります。なるべく風量設定を変えずに使うことが、電気代節約のポイントです。

3 ちょっとした外出ならエアコンをつけたままにする

エアコンは、稼働させてから設定温度になるまでの消費電力が特に多いため、こまめに消して再び稼働させる使い方をすると、電気代が高くなってしまいます。
ですから、気温の高い日に1時間程度のちょっとした外出をするのであれば、冷房は切らないでおいた方が消費電力を抑えられるでしょう

気温が高い日は室温も上がりやすく、冷房を切っているあいだに上昇した室温を再び下げるとなると、エアコンの消費電力は大きくなってしまいます。
しかし、一度室温を下げられれば、設定温度を保つための電力はそれほど消費されません

エアコンをつけっぱなしにする節約方法ついて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

エアコンをつけっぱなしにしたらどうなる?電気代とともに解説

エアコンをつけっぱなしにした場合、1か月の電気代はどのくらいかかるのでしょうか。エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代やメリット・デメリットなどを解説します。

4 フィルターを清潔に保つ

エアコンの無駄な消費電力を抑えるためには、フィルターやエアコン内部を定期的に掃除して清潔に保つことも大切。
フィルターにほこりなどの汚れが付着していると空気が通りにくくなり、消費電力に対してエアコンの風量が落ちてしまいます。また、フィルターについたほこりはカビの繁殖の原因にもなるのです。

お掃除機能を搭載したエアコンは、フィルターや内部の熱交換器などに付着したほこりやゴミを除去できるため、忘れずに活用しましょう。

また、プロによるエアコンクリーニングや自分でフィルターのお手入れをするタイミングは、エアコンをつかう時期や頻度によって変わってきます。
プロのクリーニングは2年に1回程度、自分でフィルターを掃除するのは2週間~1ヵ月に1回程度が理想です。

5 室外機を定期的にお手入れする

エアコンは、室内機だけでなく室外機もきれいに保ちましょう。
室外機には熱を逃す役割がありますが、ほこりやゴミが溜まっていると熱を逃しにくくなり、エアコンの運転効率も下がってしまいます。汚れた室外機を放置すると故障するおそれもあるため、定期的に掃除するのがおすすめ。

プロのエアコンクリーニングには、オプションで室外機も掃除してくれる業者もあります。室内機の掃除を依頼する際に、室外機も併せてクリーニングしてもらうよう検討してください。

また、室外機から熱をうまく逃すには、室外機の周りの温度が高くなりすぎないようにすることもポイントです。
室外機への直射日光を防いだり、室外機周辺に物を置かないようにしたりするのも、エアコンの効率的な運転につながります。

6 古いエアコンは買い替えも検討する

初期費用はかかりますが、古いエアコンは思い切って買替えると電気代の節約につながります。

エアコンなどの電化製品は省エネ化が進み、消費電力を抑えながら効率よく運転できる製品が多く登場しています。そのため、古いエアコンをつかい続けるよりも、省エネタイプの製品に交換した方が電気代の節約になる可能性が高いです。

エアコンを買替える際は、政府が定めた省エネ基準をどの程度達成しているのか示す「省エネ基準達成率」を参考に選んでみてください
エアコンの省エネ性能は「統一省エネラベル」から確認でき、評価が高い製品ほど電気代の節約効果が見込めます。

買替えにはある程度の費用がかかりますが、夏も冬もつかうエアコンは、年単位で電気代の節約効果が得られるでしょう。古いエアコンをつかっている場合は、おすすめの節約方法です。

エアコンの節約方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

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7 扇風機やサーキュレーターを併用する

部屋を冷やしたり暖めたりする際は、エアコンだけでなく扇風機やサーキュレーターも併用するとエアコンの消費電力を抑えられます。

夏場にエアコンをつかうと、冷たい空気は下に溜まります。扇風機やサーキュレーターで室内の空気を循環させれば、効率的に部屋を冷やせるのです。

冷気がまんべんなく行き渡れば、エアコンの設定温度を少し上げても快適に過ごしやすくなるでしょう。扇風機なら、風がほどよく体にあたることで体感温度も下げられます。

冬に暖房を使用する場合も、扇風機やサーキュレーターの併用はおすすめ。天井付近に溜まる温かい空気を部屋の下方へ循環させられるため、足元の冷えを解消できます。

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8 ドアや窓の開閉を少なくする

エアコンの使用時にドアや窓の開閉が多いと、外からの熱風が部屋に入って室温が上昇します。上昇した室温を下げるためにエアコンの消費電力が増え、電気代も高くなってしまうのです。

一度設定温度まで下げた室温を維持するためにも、エアコン使用時はなるべくドアや窓の開け閉めを少なくして、開けっぱなしにすることもできるだけ避けましょう。

9 カーテンやすだれで日差しをさえぎる

夏場は、遮熱カーテンやレースカーテン、すだれなどで室内に入る日差しをカットするのも効果的。強い日差しをさえぎることで室温が上がりにくくなり、エアコンの消費電力も抑えられます。
また、昼間の外出時もカーテンを閉めきって出掛ければ、日差しによって室内が蒸し暑くなるのを避けられるでしょう。

10 電力会社との契約内容を見直す

エアコンの電気代を節約するには、電力会社との契約内容を見直すのもひとつの方法です。

電気代は、契約先の電力会社の定める基本料金と、電気使用量に対してかかる電力量料金などの合計額が請求されます。
料金は会社やプランによってさまざまで、なかには基本料金が安い会社や、使用時間帯によっては電気代が安くなるプランなどもありますので、確認してみてください。

電気料金のプランを見直す際は、自分のライフスタイルに合う内容かどうかを比較するのがおすすめ。

たとえば、仕事などで日中の在宅時間が短い場合は、電気を多く使う夜間の電気代が安いプランに変更すると、今の電気代よりも節約できる可能性があります。

また、契約する電力会社自体を切り替えるのもひとつの手です。複数の会社の基本料金やプランを比較して、よりお得なプランで契約できる会社に切り替えれば、同じ電気使用量でも節約効果が期待できるでしょう。

電力自由化について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。

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除湿には弱冷房除湿や再熱除湿があり、どの機能を使うのかによって電気代も変わってきます。
そのため、使用しているエアコンの除湿機能の種類を確認して、今回ご紹介したように用途やシチュエーションに応じて上手につかい分けるようにしましょう。

また、エアコンのつかい方を工夫したり、電力会社との契約内容を見直したりすることでも、節電・節約効果が見込めます。
電気代を無理なく節約できるよう、今のライフスタイルに省エネにつながる改善点がないか探してみてはいかがでしょうか?

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