追い焚きの電気代は?入れ直しとどっちが安い?節約方法も解説

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お風呂に入るタイミングが家族ごとに異なる場合や、家族の人数が多い家庭では、追い焚き機能をつかってお湯を温め直すこともあるでしょう。しかし、何度も追い焚きを繰り返していると「電気代が高いのでは」と心配になってしまうことがあるかもしれません。

そこで本記事では、追い焚き1回にかかる電気代の目安、追い焚きと入れ直しの電気代の比較、さらにはお風呂の電気代の節約方法についても解説します。

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目次

追い焚き1回の電気代はいくら?

電気でお湯を沸かす設備には、待機中の熱でお湯を沸かすエコキュートと、電熱ヒーターでお湯を沸かす電気温水器の2種類があります。エコキュートは設置に初期費用がかかる一方で、ランニングコストは電気給湯器の3分の1ほどになるのが特徴といえるでしょう。エコキュートの場合、追い焚き1回にかかる電気代は約46.5円で、仮に毎日1回追い焚きすると1か月(30日)で約1,395円です。
ここからは、給付金があって導入も増えているエコキュートについて、追い焚きをしたときの電気代や算出方法を解説します。

追い焚き1回の電気代の算出方法

エコキュートは、一般的な電気給湯器の3分の1の電力量でお湯を沸かすため、通常のエネルギー量を算出してから、3で割る計算式で電気代を算出します。
エコキュートで行う追い焚きの電気代の算出方法は、以下のとおりです。

<追い焚きに必要な熱量の計算式>
必要な熱量(KJ)=お湯の質量(kg)×比熱容量(KJ/kg・℃)×温度変化(℃)
必要な電力量(kWh)=必要な熱量(KJ)÷3,600KJ/kWh÷3

  • 水の比熱容量は約4.18KJ/kg・℃で計算しています。
  • 1kWhは3,600KJで計算しています。

20℃の水200リットルを40℃まで温める場合

上記の計算式を、20℃の水200リットルを40℃まで温める場合に当てはめます。

<20℃の水200リットルを40℃まで温める場合の計算式>
200kg(お湯の質量)×4.18KJ/kg・℃(比熱容量)×20℃(温度変化)=16,720KJ
16,720KJ(必要な熱量)÷3,600KJ/kWh÷3=1.5kWh

エコキュートで追い焚きした場合、必要な電力量は1.5kWh相当で、電気料金を31円/kWhとした場合の追い焚き1回あたりの電気代は46.5円となります。

  • 1kWhあたりの電気料金の目安単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が制定している2024年4月時点の電気料金の目安単価31円/kWh(税込)で計算しています。

エコキュートについて詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

エコキュートの電気代は高い?平均額を比較し節約方法を解説

環境に優しく電気代も抑えられるとされるエコキュートですが、導入して「電気代が高くなった」という声も。エコキュートの電気代が高くなる原因や節電方法を紹介します。

追い焚きとお湯の入れ直しの電気代はほぼ変わらない

湯量が同じ場合であれば、追い焚きとお湯の入れ直しにかかる電気代はほとんど変わりません。ただし、お湯を入れ直した場合は電気代のほかに水道代がかかる点に注意が必要です。ここでは、20℃に冷めたお湯を追い焚きした場合と、お風呂を入れ直した場合の電気代についてみてみましょう。

お湯を入れ直す場合にかかる電気代

常温の水が20℃と仮定した場合、200リットルの水を40℃でお風呂を入れ直す場合にも、46.5円の電気代がかかります。お湯を入れ直す場合でも、お風呂を沸かす場合でも、水の量と元々の温度が同じであれば、電気代に違いはありません。

ただし、お湯を貯めてから2時間後に追い焚きをするといった場合は、お湯がまだ冷めきっていない状態です。このような条件下では、入れ直しよりも追い焚きの方が電気代を抑えられます。

200リットル分の水道代は約40円

風呂のお湯を入れ直すか追い焚くか考える際は、水道代も加味しておく必要があります。追い焚きでは足し湯をしない限り、水道代は不要ですが、入れ直す場合は電気代のほかに水道代もかかります。
厚生労働省「いま知りたい水道」によると、水道代の全国平均は1リットルあたり0.2円です。つまり、浴槽に200リットル水を貯めるためには、0.2円×200リットル=40円かかるということになります。

追い焚きする場合の水道代は0円

一度貯めたお風呂を追い焚きする場合、水道代は0円です。残り湯を沸かし直すので、新たに水をつかうことはありません。なお、エコキュートでは風呂の残り湯を一度貯湯タンクに回収し、温め直して浴槽に戻します。

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追い焚きの衛生面は?

お風呂の追い焚きにあたって、電気代と同時に気になるのが衛生面です。一晩放置した残り湯の場合、雑菌などが繁殖しているおそれがあります。衛生面について正しい知識を身につけた上で、残り湯を追い焚きするか検討しましょう。

一晩放置すると、菌が増加する

お風呂の残り湯を一晩放置すると、お湯をはった直後よりも細菌が数千倍にまで増加するといわれています。
株式会社衛生微生物研究センター「お風呂の残り湯は使ってもよい?」によると、お風呂にお湯を張った直後と、入浴直後、入浴後にそのまま残り湯を1晩放置した風呂の3種類について細菌数の調査をしたところ、以下の結果となりました。

■一晩放置した残り湯内の細菌数

入浴人数 入浴前 入浴直後 一晩放置後
2名 40 110 250,000
3名 40 360 290,000
5名 80 2,700 1,200,000
  • 表中数値は1mLあたりの細菌の個数。風呂水を採取して培養後、コロニーを計数して算出。
  • 出典:株式会社衛生微生物研究センター「お風呂の残り湯は使ってもよい?

ただし、実際にどの程度細菌が増えるかは、浴槽や室温、入浴した人の状態などによって変わり、状況によって細菌が増加しない場合もあります。また、残り湯内の細菌は、基本的に皮膚に由来する細菌のため、通常は病気などの心配はないでしょう。ただし、衛生的には好ましくないため、一晩経った残り湯は洗濯する際に再利用するなどして、可能な限りその日のうちにつかい切るのがおすすめです。

衛生面が気になる場合の対策

お風呂の追い焚きについて衛生面が気になる場合は、風呂水洗浄剤をつかったり、除菌ができる給湯器を使用としたりすることで対策できます。
風呂水洗浄剤とは、入浴後の残り湯に入れて細菌の繁殖を防ぐ役割を持つ洗浄剤です。ただし、このような洗浄剤をエコキュートで使用すると、設備に負担がかかり故障するおそれもあります。使用したい場合は、事前にメーカーに問い合わせることをおすすめします。

一方、除菌ができる給湯器は、給湯器や貯湯ユニットの内部に除菌機能を搭載しているシステムです。お湯に紫外線を照射して雑菌の増殖を防ぎます。ただし、システムの入れ替えとなると費用と手間がかかるため、衛生面が気になる場合は、残り湯を洗濯などほかの用途につかうなどして再利用するのがおすすめです。

追い焚きの電気代を節約する方法

追い焚きにかかる電気代を節約するためには、以下の2点が効果的です。できるだけ電気代を抑えてお風呂に入るための方法を知っておきましょう。

追い焚きの電気代を節約する方法・追い焚きする時間を短縮する・残り湯を減らしてお湯を足す

追い焚きする時間を短縮する

追い焚きの電気代を節約するには、追い焚きをする時間を短くすることが有効です。お湯を入れてから追い焚きまでの時間が長いと冷めてしまうため、追い焚きにかかる電気代も高くなります。翌日以降の追い焚きでは調整できませんが、お風呂を沸かした当日に、家族の入浴時間が違うために追い焚きをする場合は、できるだけ入浴時間をそろえることで電気代の節約ができます。

たとえば、朝入浴する人と夜入浴する人のいるご家庭では、どうしても追い焚きまでに12時間程度時間が空いてしまうでしょう。どちらの人も夜入浴することにすれば、追い焚きまでの時間を短縮できます。
同様に、夕食前にお風呂に入る人と夕食後にお風呂に入る人がいる、という場合も、全員夕食後にお風呂に入ることにすれば、多少お風呂のお湯が冷めて追い焚きが必要になったとしても、さほど電気代を必要としません。

また、お風呂の蓋を利用して、お湯が冷めないようにするといいでしょう。お風呂の温度が温かい状態なら、追い焚きにかかる時間も短縮でき、電気代も節約できます。

残り湯を減らしてお湯を足す

エコキュートには、残り湯を減らして高温のお湯を足す「高温差し湯」という機能がついている商品もあり、高温差し湯をつかうと追い焚きよりも節電効果が高くなる場合があります。あらかじめお風呂のお湯を少し少なくしておくと、効率良く温度を上げることができます。

電気代の節約方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

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電気代が高い原因について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

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自宅に合ったお風呂の節約方法を検討しよう

エコキュートの場合、水道代も含めて考えるなら、お湯を新たに貯めるよりも追い焚きの方がトータルコストは安くなります。さらに、追い焚きまでの時間を短縮するといった工夫をすれば、電気代を節約できるでしょう。衛生面が気になる場合は、除菌ができる給湯器の導入などを検討してみるのもおすすめです。

さらに効率良く電気代の節約をするなら、電気料金プランや電気会社の見直しといった選択肢もあります。さまざまな電気プランの中から、ご家庭に合ったプランを比較・検討してみてはいかがでしょうか。

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  • 2024年5月12日時点の情報です。
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