目次
消費電力の計算方法は?定格消費電力・年間消費電力の違いも解説
電気製品を動かす際につかう電力のことを「消費電力」と呼びますが、この消費電力について正しく把握できれば、電気代の計算などにも役立てることができます。
また、消費電力を抑えることは節電につながるため、日常的に使用している電化製品の消費電力量を知り、つかい方を工夫することも大切です。
本記事では、消費電力の計算に用いる単位や基本的な計算式、電気代の計算方法などを解説します。併せて、消費電力を抑える3つの方法についても見ていきましょう。
ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから
消費電力は、電化製品を動かすのに必要な電力のこと
消費電力とは電化製品を動かす際につかわれる電力のことをいいます。
単位は「W(ワット)」で表し、数値は電化製品ごとに異なり、W数が大きくなるにつれ電力の消費量も大きくなります。そのため、消費電力(W数)を抑えることは節電につながり、電気代の節約も可能です。
家庭でつかわれるような電化製品には、この消費電力の表示が義務付けられています。「◯◯W」と電化製品に直接記載されているか、目立たない場所に記載されたシールが貼られているのが一般的です。この消費電力をつかって、電化製品がどのくらい電力を消費するのか計算することができます。
また、消費電力には、「定格消費電力」と「年間消費電力」の2つがあります。消費電力とどう違うのか、詳しく見ていきましょう。
定格消費電力:電化製品の最大消費電力量
指定の条件下で、機器類を最大限につかった場合の消費電力のことを「定格消費電力」といいます。電化製品の取扱説明書やカタログなどに、消費電力だけでなく定格消費電力も記載されている場合もあります。
消費電力に幅がある電化製品は多いため、最大限使用した場合にかかる最も大きい消費電力の数値として、定格消費電力が記載されているのです。
年間消費電力:電化製品を1年間つかうことでかかる電力量
一定の使用条件下で、その電化製品を1年間使用した場合に消費する電力量のことを「年間消費電力」といいます。この測定基準はメーカーごとにではなく、日本工業規格(JIS規格)によって電化製品ごとに決められており、実際の使用状況に近い条件のもとでつかった場合の数値が採用されています。
年間消費電力が表示されている代表的な電化製品は、冷蔵庫やエアコン、テレビなどです。これらの電化製品に年間消費量が表示されているのは、「稼動時と待機時の消費電力に差がある」「室内と室外の温度差で消費電力が変動する」「単なる消費電力だけでは電気代を算出しにくい」といった特徴があるためです。
ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから
消費電力にまつわるさまざまな単位
前述したW(ワット)を含め、消費電力にまつわるさまざまな単位があります。各単位が持つ意味や特徴、違いについて確認しておきましょう。
ボルト(V):電圧
ボルト(V)とは、電気を押し出す力(電圧)を表す単位です。このボルト数が高いほど、電気回路を大きな電流が流れる仕組みになっています。
電力会社から供給される電圧のボルト数は、常に一定です。日本では一般家庭の場合、100Vに設定されているため、電化製品もその電圧数に合わせて作られています。海外の場合には電圧数が異なるため、海外で日本製の電化製品をつかう場合には変圧器が必要です。
アンペア(A):電流
アンペア(A)とは、電気が流れる量(電流)を表し、1秒間に電気が流れる量を意味しています。このアンペア数が高いほど、電気回路を多くの電気が流れる仕組みになっています。
一般的なアンペア制を採用している電力会社と契約をする際は、契約アンペア数によって電気代の基本料金が決まるため、家庭での使用状況に沿ったアンペア数を選ぶことが大切です。一般家庭では、20~50Aで契約していることが多いようです。
アンペアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
契約すべきアンペア数の目安は?必要数の計算方法と選び方
契約アンペア数はどのように選べば良いのでしょうか。必要なアンペア数を求める計算方法や変更方法のほか、契約アンペア数を下げる方法も紹介します。
ワット(W):消費電力
ワット(W)とは、一定時間内につかわれる電気エネルギー(消費電力)を表す単位です。
ワットを求める計算式は下記のとおりです。
<消費電力を求める計算式>
消費電力(W)=電圧(V)×電流(A)
また、1,000Wは1kW(キロワット)に値します。
ワットアワー(Wh):消費電力量
ワットアワー(Wh)は、消費電力(W)に電化製品の使用時間を掛けたもので、消費電力量を表す単位です。
消費電力と消費電力量はどちらも同じ意味の言葉に感じられるかもしれませんが、違いは消費電力のように電力の大きさではなく、「5Whとは、消費電力1W電化製品を5時間稼働させたときの電気の使用量」というように消費電力量は電力の量を表すという点です。
消費電力をつかって電気代を計算する方法
ここからは、消費電力や年間消費電力をつかって、電化製品にかかる電気代を計算する方法をご紹介します。電化製品の正しい電気代を把握して、節電につなげていきましょう。
消費電力から、消費電力量や電気代を求める計算方法
消費電力量を表すワットアワーは、次の計算式で求められます。1,000W=1KWです。
<1時間使用した場合の電化製品の消費電力量を求める計算式>
1時間の消費電力量(kWh)=消費電力(W)÷1,000×1(h)
Whは1時間使用した場合の消費電力を表します。もし、使用時間が30分なら0.5hというように、単位を時間に変換しなければなりません。
消費電力が0.1kWの電化製品を1時間使用した場合の電気代は、次のように計算します。
<消費電力0.1kWの電化製品を1時間使用した場合の電気代>
0.1kW✕1h×31円/kWh=3.1円
- 本記事で紹介する計算式は、すべて電気料金単価を31円/kWhとして計算しています。
電気代の計算方法についてもっと知りたい方は、こちらの記事もご確認ください。
電気代の計算方法は?電化製品ごとの電気代を知って効果的な節約を
電気代の計算方法がわかれば、節電にもつながるはずです。電気料金の仕組みや電化製品ごとの電気代の計算方法のほか、電気代の節約方法なども解説します。
年間消費電力量から1か月あたりの電気代を求める計算方法
冷蔵庫やテレビ、エアコンなどの電化製品の1か月あたりの電気代を計算する際は、年間消費電力量を用います。
年間消費電力量を12か月で分割した、1か月あたりの消費電力量に1kWhあたりの料金単価を掛けると、1か月あたりの電気代を算出できます。
ここでは、年間消費電力量が300kWhの冷蔵庫を例に、1か月あたりの電気代を算出してみましょう。
<年間消費電力量から1か月あたりの電気代を求める計算方法>
300kWh÷12か月=25kWh(1か月あたりの消費電力量)
25kWh×31円/kWh=775円(1ヵ月あたりの電気代)
この場合、1か月あたりの冷蔵庫の電気代は775円ということがわかります。
消費電力を減らす3つの方法
続いては、節電につながる消費電力量を減らす方法を、3つご紹介します。電化製品をどのようにつかえば消費電力を抑えることができるのか、詳しく見ていきましょう。
1 電化製品を使用しないときはプラグを抜く
効率良く節電するためには、家の中全体の電化製品をチェックして、使用していないときはなるべくコンセントを抜いておくことをおすすめします。
電化製品をつかっていないあいだも消費される電力のことを、「待機電力(待機時消費電力)」といいます。
待機電力は、その機器をつかっていなくてもコンセントに挿した状態であれば発生する、無駄な電力です。
待機電力が多い電化製品としては、次のようなものがあります。
<待機電力の多い電化製品>
・ガス温水器
・テレビ
・エアコン
・電話機
・ブルーレイ/HDD/DVDレコーダー など
2 電化製品を選ぶ際に、省エネ性能の高いものを選ぶ
電化製品を購入する際に、エネルギー消費を抑えられる「省エネ家電」を選ぶのもいいでしょう。
従来の家電よりも消費電力を最小限に抑えられた設計となっており、旧モデルの機器と同じ時間使用したとしても、省エネ家電の方が消費電力を減らせて節約効果も得られるのです。初期費用はかかりますが、この省エネ家電に買替えることは、長い目で見ると節約につながります。
使用している電化製品の電力消費量が大きいと、どれほど節電を心掛けても、電気代の節約効果が得られない場合も。特に、10年以上前の旧モデルの電化製品の場合、消費電力が大きい可能性が高いため、省エネ家電を選べば、消費電力を抑えられます。
実際に省エネ家電にすることで、どれくらいの省エネ・節電効果が期待できるのでしょうか。主な省エネ家電によって期待できる節電効果は、次のとおりです。
なお、ここでは資源エネルギー庁の省エネポータルサイトのデータを参考にご紹介します。
■省エネ家電への買い換えによって期待できる節電効果
省エネ型機器 | 期待できる省エネ・節電効果 |
---|---|
テレビ | 9年前と比較して約42%の省エネ |
冷蔵庫 | 10年前と比較して約40~47%の省エネ |
エアコン | 10年前と比較して約17%の省エネ |
照明器具(電球形LEDランプの場合) | 一般電球と比較して約86%の省エネ |
出典:経済産業省資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「省エネ型機器の現状」
上記からも、近年の電化製品は、エネルギー消費効率が大きく向上していることがわかります。電化製品を買替える際は、省エネ型製品を視野に入れることをおすすめします。
電気代の節約について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
電気代を節約するには?効果的な4つの方法を詳しく解説
近年値上げが続く電気代。節約を考える方に向けて、効率的な家電のつかい方や省エネ製品への買い替え、電力契約や生活スタイルの見直しなど、4つの節約方法を紹介します。
3 電化製品の使用方法を見直す
次のような方法で電化製品のつかい方を工夫することでも、節電効果が得られます。積極的に取り入れてみまてください。
<節電できる電化製品のつかい方>
・つかっていない電化製品や照明の電源やスイッチはこまめにオフにする
・省エネモードがある電化製品は、積極的に省エネモードにする
・時間帯によって電気料金が異なるプランで契約している場合、料金が高い時間帯の電気の使用を避ける
なお、つかわない電化製品や照明の電源やスイッチはこまめにオフにするとご紹介しましたが、パソコンやエアコンなどはこまめに電源を切ると、かえって消費電力が大きくなってしまうため注意が必要です。パソコンは起動時に、エアコンは室内が設定温度になるまでに、特に消費電力が大きくなるためです。
電化製品ごとの特徴を踏まえて、こまめにオフにするかどうかを判断しましょう。
電化製品のつかい方や電力会社との契約内容の見直しで、消費電力を抑えよう
消費電力は使用する電化製品の種類だけでなく、つかい方次第でも大きく変わります。無駄な電力が発生するつかい方をしていないか確認しつつ、節電を心掛けることが大切です。電気代の節約はすぐに効果を実感できるわけではなく、長く続けることで効果が実感できるため、コツコツと継続できる節電対策を実践していけるといいですね。
また、消費電力に着目するのを機に、電力会社や料金プランを見直すのもおすすめです。消費電力を制限しなくても、電気代を抑えることができる可能性があります。今の自分にとってベストな契約内容となるよう、契約先やプランの切り替えも視野に入れてみましょう。
ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから
- 2023年6月1日時点の情報です。