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電気温水器の電気代は高い?エコキュートとの違いやデメリットも解説

いつでも好きなときに温かいお湯がつかえる電気温水器があると、生活の利便性を高めてくれます。自宅への設置を検討されている人もいるのではないでしょうか。
とはいえ、電気温水器は電気の力でお湯を沸かしますから、どのくらい電気代がかかるのかは気になるところです。
本記事では、電気温水器について、電気代などの違いをエコキュートと比較します。また、電気代を節約する方法も併せてご紹介しますので、気になる人は参考にしてみてください。
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電気温水器は電気を利用してお湯を沸かす機器のこと

電気温水器とは、電気の力を利用してお湯を沸かす機器のことで、貯湯タンクの中に内蔵された電気ヒーターで、タンク内の水は温められています。
あらかじめ貯湯タンクにお湯がたまっているので、お風呂やキッチンなどで蛇口をひねれば、すぐに温かいお湯をつかうことができます。
電力量単価が安い深夜にお湯を沸かすので、電力の消費量が多くても電気代が抑えられ、ガスや灯油をつかう給湯器よりコストが低くなる可能性が高いといえるでしょう。また、お湯を沸かす際に火をつかわないので、ガスや灯油をつかう給湯器に比べて火災のリスクが低くなります。
電気温水器の種類

電気温水器には、主に「フルオートタイプ」「セミオートタイプ」「給湯専用タイプ」という、3つの種類があります。それぞれのタイプの特徴や、メリット・デメリットを確認していきましょう。
フルオートタイプ
フルオートタイプは、お風呂のお湯張りや保温、追い焚き、足し湯など、給湯にまつわる作業を自動的に行う電気温水器です。お湯の状態を感知して自動的に追い焚きなどを行ってくれるので、いつも適温のお風呂に入ることができます。
便利な反面、本体価格や設置費用が割高である点や、お風呂をつかわないときにも自動運転が作動してしまい、無駄な電気代がかかる場合がある点などがデメリットといえます。
セミオートタイプ
フルオートタイプより機能がシンプルなセミオートタイプは、ボタンひとつでお風呂のお湯張りができますが、足し湯や追い焚きは手動で行わなければなりません。いったんお湯の温度が下がってしまうと、追い焚きに余計な電気代がかかることも。
一方、お風呂の使用状況に合わせて操作することで、電気の無駄遣いを防ぐことができるというメリットもあります。本体価格や設置費用は、フルオートタイプに比べて割安になっています。
給湯専用タイプ
給湯専用タイプは給湯のみを行う電気温水器で、蛇口をひねるとすぐにお湯が出てきますが、お湯張りや足し湯などはすべて手動で行います。
追い焚き機能がないので、お風呂のお湯が冷めてしまった場合には、再び給湯する必要があります。そのため、追い焚きや足し湯の必要がない単身家庭での使用がおすすめといえるでしょう。
フルオートタイプやセミオートタイプに比べて、本体価格や設置費用が低く抑えられる点がメリットです。
電気温水器とエコキュートの4つの違い

電気温水器と同じような給湯設備として利用されているのが、エコキュートです。電気温水器とエコキュートには、どのような違いがあるのでしょうか。主な5つの違いから、電気温水器とエコキュートを比較していきます。
1 熱を作り出す仕組みの違い
エコキュートは電気温水器と同様、単価の安い深夜電力をつかって沸かしたお湯を貯湯タンクにためて使用する給湯器ですが、熱を作り出す仕組みが異なります。
電気温水器はタンクに内蔵された電気ヒーターで水を温めるのに対し、エコキュートはヒートポンプをつかって水を温めます。
ヒートポンプとは、近年エアコンや洗濯乾燥機などの電化製品でも使用されている省エネ技術で、外気から熱を取り出して冷媒を加熱し、その冷媒を圧縮して温度を上げ、熱交換器で水を加熱することでお湯を作る仕組みです。
2 かかる電気代の違い
電気代という面から考えると、エコキュートは電気温水器より効率良くお湯を沸かすことができます。
年間の電気代を比較すると、東京電力エナジーパートナーズエリアでは、家庭用ヒートポンプ給湯器が約3万7,200円しかかからないのに対し、電気温水器は約15万8,400円もかかるため、電気温水器は電気代が4倍以上も高くなってしまうことになります。
- 参考:パナソニック株式会社「低ランニングコスト」
3 本体価格の違い
本体価格にも違いがあります。エコキュートの場合、給湯器機や貯水タンクのほかに、ヒートポンプユニットが必要になるため、本体価格が高くなる傾向があります。
同じメーカーの370Lの製品で比較すると、エコキュートの給湯器機の本体価格は95万400円もかかるのに対し、電気温水器の本体価格は61万9,300円しかかからないため、電気温水器のほうが低く抑えられることがわかります。
- 参考:パナソニック株式会社「J シリーズ フルオート」
- 参考:パナソニック株式会社「追いだき機能付フルオート」
4 補助金の対象となるかの違い
電気温水器は補助金対象外ですが、エコキュート導入に対しては、国や自治体から補助金が出る場合があります。
経済産業省資源エネルギー庁が管轄する「給湯省エネ2024事業」では、エコキュートなど高効率給湯器の導入に特化した支援を行っています。対象となるのは戸建住宅、共同住宅などの制限はなく、新築注文住宅にエコキュートを購入・設置する際の工事請負契約や、エコキュートが設置された新築分譲住宅購入の不動産売買契約などです。
補助金額は条件によって異なりますが、8万~13万円です。2024年は3月以降に申請受付が開始される予定なので、導入を検討している人は確認してみましょう。
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電気温水器にかかる電気代
電気温水器にかかる電気代は、電力エリアごとに年間でどのくらい変わるのでしょうか。また、エコキュートとの電気代はどのくらい違うのかも確認しておきましょう。
電力エリアごとの電気温水器にかかる年間電気代の目安
電力エリアごとに電気温水器を利用することでかかる年間電気代をまとめると、下記のようになります。
■エリア別・電気温水器にかかる電気代
地域 | 1か月あたりの電気代 | 1年あたりの電気代 |
---|---|---|
北海道電力 | 約1万5,400円 | 約18万4,800円 |
東北電力 | 約1万5,800円 | 約18万9,600円 |
北陸電力 | 約1万3,200円 | 約15万8,400円 |
東京電力エナジーパートナー | 約1万3,900円 | 約16万6,800円 |
中部電力 | 約8,400円 | 約10万800円 |
関西電力 | 約7,300円 | 約8万7,600円 |
中国電力 | 約1万4,700円 | 約17万6,400円 |
四国電力 | 約1万6,100円 | 約19万3,200円 |
九州電力 | 約7,000円 | 約8万4,000円 |
沖縄電力 | 約5,200円 | 約6万2,400円 |
- 参考:パナソニック株式会社「低ランニングコスト」
年間電気代が一番安い沖縄エリアと一番高い四国電力エリアでは、3倍以上も電気代に差があります。同じ電気温水器をつかっていても、地域によって年間の電気代には大きく差が出ることがわかりました。
電力エリアごとにかかる電気温水器とエコキュートの年間電気代の比較
電気温水器とエコキュートにかかる、電力エリアごとの年間電気代をまとめると、下記のようになります。
■エリア別・電気温水器とエコキュートの年間でかかる電気代の比較
地域 | 電気温水器の1年あたりの電気代 | エコキュートの1年あたりの電気代 |
---|---|---|
北海道電力 | 約18万4,800円 | 約5万4,000円 |
東北電力 | 約18万9,600円 | 約4万8,000円 |
北陸電力 | 約15万8,400円 | 約4万2,000円 |
東京電力エナジーパートナー | 約16万6,800円 | 約3万7,200円 |
中部電力 | 約10万800円 | 約2万5,200円 |
関西電力 | 約8万7,600円 | 約2万400円 |
中国電力 | 約17万6,400円 | 約4万3,200円 |
四国電力 | 約19万3,200円 | 約4万4,400円 |
九州電力 | 約8万4,000円 | 約2万400円 |
沖縄電力 | 約6万2,400円 | 約2万7,600円 |
- 参考:パナソニック株式会社「低ランニングコスト」
電気温水器とエコキュートの年間でかかる電気代を比較すると、電気温水器のほうがすべてのエリアで2~4倍ほど高くなっています。ランニングコストについては、圧倒的にエコキュートのほうが低く抑えられるといえるでしょう。
エコキュートの電気代について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

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電気温水器をつかうメリット

電気温水器をつかうメリットは、どのような点にあるのでしょうか。一般的なガス給湯器と比べた際の主なメリットを3つご紹介します。
長期間保証を受けられる
電気温水器にはメーカーによる無償保証期間が1年あるのに加えて、有料で10年程度まで保証期間の延長を受けられる場合が多いのがメリットです。
また、電気温水器はシンプルな構造のものが多いので、複雑な造りの機器と比べると、比較的故障しにくいといわれています。
非常時に水やお湯をつかえる
停電や災害などの緊急時には、断水などのトラブルが発生することが考えられます。断水が起きると、お湯や水がつかえなくなり、日常生活を送ることが困難になりますが、あらかじめお湯を作ってためておく電気温水器なら、電気や水道が止まっても貯湯タンクにお湯や水が残っているあいだは使用できることがメリットです。
使用時の音が静か
ガス給湯器は使用するたびにガスが点火する音がしますが、電気温水器はすでにためてあるお湯をつかうため、ガス給湯器に比べて使用時の音が小さいことがメリットとして挙げられます。小さなお子さまがいるなど、物音を気にされるご家庭にもおすすめです。
電気温水器をつかうデメリット
電気温水器をつかう上では、デメリットもあります。主な電気温水器のデメリットを3つご紹介します。
初期費用がガス給湯器より高くなる
電気温水器は機種にもよりますが、本体価格がガス給湯器よりも高くなることがデメリットです。ただし、小型タイプの電気温水器であれば、初期費用を抑えることは可能です。
また、初期費用は高くても、ランニングコストを抑えられる可能性があるので、導入を決める前に一度シミュレーションを行うといいでしょう。
貯湯タンクを設置する場所が必要になる
電気温水器は、貯湯タンクを設置する場所が必要になることもデメリットです。サイズはタンクの容量によって異なりますが、幅と奥行きが約70~80cm、高さが約2mあるものが一般的です。
新築の戸建住宅に導入を検討する際には、設計段階から設置場所を確保しておく必要があるでしょう。
水圧が低めになる場合が多い
電気温水器は貯湯タンクにたまったお湯をつかうため、水道管から直接給湯器に給水されるガス給湯器に比べて、水圧が弱い場合があることもデメリットです。水圧を気にする人は、高圧型の電気温水器の導入を検討してみましょう。
電気温水器にかかる電気代を節約する方法

災害時にもお湯がつかえるなどのメリットがある電気温水器ですが、電気をつかうことで給湯するため、電気代が高くなってしまう可能性もあります。
しかし、電気温水器にかかる電気代は、工夫すれば節約することができます。ここでは、電気代の有効な節約方法について見ていきましょう。
つかうお湯の量をなるべく減らす
電気温水器は貯湯タンクにお湯をためてつかうので、つかうお湯の量を減らせば電気代を節約できます。食器を洗う前に水につけておく、あらかじめ汚れを拭き取っておく、シャワーヘッドを節水効果のあるものに替える、シャワーを出しっぱなしにしないなど、節水への意識を高めることで節電が期待できるでしょう。
追い焚きの回数や保温する時間を減らす
自動で追い焚きや保温を行う機能がついている電気温水器の場合、何度も追い焚きや保温を行ってしまうと、電気代が高くなる可能性があります。
節電のためには、できるだけ追い焚きの回数や保温時間を減らさなければなりません。家族の入浴時間帯を合わせたり、浴槽に保温シートを敷いたりするなど、お湯の温度を下げないための工夫をしてみましょう。
セミオートタイプの電気温水器をつかう
フルオートタイプの電気温水器は、必要がないときにも追い焚きや保温をしてしまう可能性があります。しかし、夏の暑い時期はお湯の温度が下がりにくいため、追い焚きや保温が必要ないことも。
追い焚きや保温を手動で管理できるセミオートタイプの電気温水器であれば、不要な追い焚きや保温を減らせるので、電気代の節約につながります。
こまめに電源を切る
ほかの電化製品と同様に、電気温水器もこまめに電源を切ることで、待機電力などを節約できます。特に、フルオートタイプの電気温水器をつかっている場合は、電源が入っているあいだは自動で追い焚きや保温を行うので、余計な電気代がかかる可能性があります。
ただし、電気温水器は冷めたお湯を沸かし直す際にも大きな電力を消費するため、家族で入浴時間を合わせるなどの工夫も必要です。
電気代の節約方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

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災害時にも便利な電気温水器を賢くつかって、快適な毎日を

電気温水器は災害時にもお湯がつかえるなどのメリットがある一方、電気でお湯を沸かす設備なので、どうしても電気代がかかってしまいます。電気代が気になる場合は、つかうお湯を減らしたり、追い焚きの回数や保温時間を減らしたりするなどの工夫で電気代を節約してみてください。
それでも電気代が気になるようなら、契約している電力会社や電気料金のプランの変更を検討してみるのも手です。ライフスタイルに合った電気料金プランで賢く電気温水器をつかって、快適な毎日を送りましょう。
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