IHクッキングヒーターの電気代は?ガスコンロとの比較や節電方法

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加熱する調理器具といえば、長年ガスコンロが主流でした。しかし、近年は、IHクッキングヒーターの普及が進んでいます。賃貸住宅や建売住宅、マンションなどにも、最初からIHクッキングヒーターが設置されているケースが増えました。

一方、IHクッキングヒーターにかかる電気代が心配で、設置を迷っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、IHクッキングヒーターにかかる電気代について、ガスコンロにかかるガス代と比較しながら解説します。

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目次

IHクッキングヒーターは、電気で発生させた熱で加熱調理を行う電化製品

IHクッキングヒーターとは、キッチンで火をつかわずに加熱調理ができる電化製品です。
鍋やフライパンに直接火をあてて加熱するガスコンロに対して、IHクッキングヒーターは「誘導加熱(Induction Heating)」の原理をつかって加熱します。IHとは、Induction Heatingの頭文字を取ったものです。

誘導加熱とは、導線に交流電気を流して磁力線を発生させると、近くに置いた金属などの導電性材料が発熱する電磁誘導の仕組みを利用した加熱方法です。IHクッキングヒーターの内部にあるコイルに電気を流すことで強力な磁力線を発生させて、ガラストップの上に置いた鍋などを温めることができます。

火をつかわないため安全性が高い上、大きな熱を短時間で高出力することができ、エネルギーロスが少ないという特徴があります。

IHクッキングヒーターの電気代

まずは、IHクッキングヒーターの電気代を見ていきましょう。
IHクッキングヒーターの電気代は、下記の式で計算することができます。

<IIHクッキングヒーターの電気代を求める計算式>
IHクッキングヒーターの電気代=消費電力(W)÷1,000×稼働時間(h)×1kWhあたりの電気代(円/kWh)

オール電化向けの電気料金プランの場合、1時間あたりの電気料金単価は昼間と夜間にわけられますが、ここではすべて31円/kWhとして計算します。
IHクッキングヒーターの1時間あたりにかかる火力別の電気代は、下記のとおりです。

■IHクッキングヒーターの1時間あたりの火力別電気代

火力 消費電力の目安 1時間あたりの電気代の目安
弱火 100~370W 約3.1~11.47円
中火 500~1,000W 約15.5~31円
強火 1,450~2,500W 約44.95~77.5円

弱火で1時間ゆっくり煮込んだ場合と、強火の調理を1時間続けた場合では、電気代に大きな差があることがわかります。火力が大きくなるほど、電気代もかさむと考えていいでしょう。

ガスコンロのガス代

IHクッキングヒーターの電気代の目安がわかったところで、比較のためにガスコンロのガス代も計算してみます。
一般的にガスコンロの性能は、「kW」で表示されます。ガスコンロで使用するガス代を計算する際には、kWを発熱量(MJ)に換算する必要があります。1kW=3.6MJ/hなので、ガスコンロのガス代は下記の式で計算することができます。

<ガスコンロのガス代を求める計算式>
ガスコンロのガス代=出力(kW)×3.6MJ/h×時間(h)÷ガスの発熱量(MJ/m³)×ガス料金(円/m³)

一般的なガスの発熱量は、東京ガスの都市ガスで45MJ/m³、プロパンガスで99MJ/m³です。また、都市ガス料金は183.95円/m³、プロパンガスは652.9円/m³として計算します。

以上を前提として、弱火(0.38kW)、中火(1.68kW)、強火(2.97kW)の各火力でガスコンロを1時間使用した際のガス代を計算すると、下記のとおりです。

■ガスコンロの1時間あたりの火力・種類別ガス代

火力 出力(ガス消費量) 都市ガスの
1時間あたりのガス代
プロパンガスの
1時間あたりのガス代
弱火 0.38kW 約5.59円 約9.02円
中火 1.68kW 約24.72円 約39.89円
強火 2.97kW 約43.71円 約70.51円

同じガスコンロでも都市ガスのほうがプロパンガスよりも大分安く、使用するガスによって料金が変わることがわかります。
また、ガスコンロの料金も、IHクッキングヒーターと同様、弱火と強火の調理では1時間あたりのガス代でもかなり違ってきます。

やかんのお湯を沸騰させる場合、強火で一気に沸かしたほうが節約になりそうですが、実はやかんの底から炎がはみ出る分、エネルギーロスです。かといって、弱火では沸騰までの時間が長くなり、強火よりさらにガス代がかかってしまいます。そう考えると、中火で沸かすのが最も経済的といえるのです。

ここまでの結果をもとにIHクッキングヒーターとガスコンロの1時間あたりのコストを比較すると、IHクッキングヒーターは強火だと約44.95~77.5円かかるのに対し、ガスコンロは強火でも約43.7~70.51円。結果として、ガスコンロのほうが若干安いものの、それほど変わらないといえます。

しかし、オール電化の住宅や、時間帯別の値段設定がある新電力を利用している場合は話が別です。つかい方次第で、ガスコンロよりもコストを節約することが可能になります。
また、IHクッキングヒーターは熱効率が高く、湯を沸かすのもガスコンロより短時間で済む場合が多くなります。そのため、総合的に見ると、IHのほうが料金は安くなる可能性が高いといえるでしょう。

オール電化の電気代について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

オール電化の電気代は高い?電気代高騰の影響と節約ポイント

日々の生活に必要なエネルギーを電気のみでまかなう「オール電化」。電気代高騰の影響や、オール電化で電気代を節約するポイントなどを紹介します。

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IHクッキングヒーターをつかうメリット

IHクッキングヒーターをつかうメリット・デメリット メリット・安定した加熱制御管理ができる・手軽に掃除や手入れができる・安全性が高い・キッチンが暑くなりにくい デメリット・使用できる鍋やフライパンの素材が限られる・初期費用がかかる

IHクッキングヒーターを使うメリットは、大きく3つ挙げられます。導入を検討している人は参考にしてみてください。

安定した加熱制御管理ができる

IHクッキングヒーターをつかうメリットは、安定した加熱制御管理ができることです。揚げ物などで、油を一定の温度まで加熱したい場合、ガスコンロはいちいち温度計で確認しながら火加減を調節しなければなりません。
一方、IHクッキングヒーターは、あらかじめ温度を設定してから調理ができます。そのため、手作業で温度をコントロールする必要がなく、料理の経験が浅くても効率的に調理することが可能です。

手軽に掃除や手入れができる

手軽に掃除や手入れができることも、IHクッキングヒーターのメリットといえます。
ガスコンロには、天板や五徳、バーナー部分、排気カバーといった4つのパーツがあり、これらをすべて取り外して別々に掃除をしつつ、バーナー部分をよけて天板を掃除する必要があります。天板をさっと拭き掃除したいときにもパーツを取り外す必要がある上、五徳やバーナーの焦げ付きは落ちにくく掃除は大変です。

その点、IHクッキングヒーターはトッププレートが平らでガスコンロのようなパーツがないため、電源を切って全体を拭くだけで、いつも清潔な状態を保つことができます。こまめに掃除ができるので、汚れの蓄積も抑えられるでしょう。

安全性が高い

IHクッキングの大きなメリットともいえるのが、ガスコンロに比べて安全性が高いことです。
「IHクッキングヒーターとは」の項目でも触れたとおり、IHクッキングヒーターは火を使わない加熱方式を採用しています。ガスコンロに比べて調理中の火災リスクが低く、ガス漏れの危険もありません。

キッチンが暑くなりにくい

キッチンが暑くなりにくいことも、IHキッキングヒーターのメリットといえるでしょう。
夏場の食事の支度は、暑さとの戦いです。汗だくになるのが嫌で料理をする気になれなかったり、作っただけで疲れてしまったりすることもありますよね。
IHクッキングヒーターの場合、キッチン周りや部屋の温度が上がりにくいため、暑い日も比較的快適に料理をすることができます。

IHクッキングヒーターをつかうデメリット

IHクッキングヒーターにはデメリットもあります。導入してから後悔しないよう、あらかじめ確認しておきましょう。

使用できる鍋やフライパンの素材が限られる

IHクッキングヒーターには、電磁誘導の原理を応用して熱を発生させるため、IH対応の調理器具しか利用できないといったデメリットがあります。鉄、ステンレス、ホーローの鍋やフライパンは使えますが、銅、陶磁器、耐熱ガラス、アルミなどは使えないため注意してください。

ただし、オールメタル(オールメタル加熱方式IH)と呼ばれるタイプは、銅やアルミのほか、多層鍋なども加熱することができます。

初期費用がかかる

IHクッキングヒーターのデメリットには、初期費用がかかることもあります。ガスコンロと比較して、IHクッキングヒーターは製品が高価なため、初期費用がかかってしまいます。
ガスコンロの安価な製品に比べると、IHクッキングヒーターは標準的なグレードでも倍の金額がかかることも。ランニングコストも踏まえて、トータルでコストを比較検討することが大切です。

ガスコンロをつかうメリット

ガスコンロをつかうメリット・デメリット メリット・火力が見えてつかいやすい・対応する調理器具を選ばない・炙る、焦げ目をつけるといった調理ができる デメリット・重大な事故につながるおそれがある・キッチンが暑くなる・掃除しにくい

続いては、ガスコンロのメリットも見ていきましょう。主に下記の3点がメリットとして挙げられます。

火力が見えてつかいやすい

ガスコンロのメリットは、火を見ながら調理温度を調節できるので、つかいやすいことです。
弱火、中火、強火の感覚を視覚的に把握している料理好きの方などは、つかい慣れたガスコンロのほうが調理しやすいと感じるかもしれません。

対応する調理器具を選ばない

対応する調理器具を選ばないことも、ガスコンロのメリットといえます。
ガスコンロは全国に広く普及しており、多くの人が使用しています。そのため、調理器具のほとんどはガスコンロで使用できるように作られているのです。
気に入った調理器具を見つけたときに素材を気にせず購入できるのは、うれしいですよね。

あぶる、焦げ目をつけるといった調理ができる

ガスコンロは多彩な調理が可能なことも、メリットとして挙げられるでしょう。
ガスコンロは、常に五徳の上に調理器具を置いておかなくても火が届きます。そのため、チャーハンのようにフライパンをあおって水分を飛ばしたり、火にかざしてあぶったり、焦げ目をつけたりするといった調理にも活用できます。

ガスコンロをつかうデメリット

ガスコンロをつかうことには、下記のようなデメリットがあります。設置されていたからとそのままつかっている人も多いかもしれませんが、デメリットがあることも知っておきましょう。

重大な事故につながるおそれがある

ガスコンロは、うっかり火を消し忘れると火災につながるおそれがあることがデメリットです。
センサー付きのものも増えていますが、着用している衣服の素材によっては、調理中に火が燃え移る可能性もゼロではありません。ガス漏れや不完全燃焼により、一酸化炭素中毒になるリスクもあります。

キッチンが暑くなる

キッチンが暑くなってしまうことも、ガスコンロのデメリットといえます。
ガスコンロの火は、鍋底から空気に伝わり、部屋の温度を上げます。夏の暑い日や、暖房をつけて締め切った冬の室内では、調理で体力を奪われる可能性があるでしょう。

掃除しにくい

IHクッキングヒーターと比べて、ガスコンロは掃除がしにくいこともデメリットです。
ガスコンロの天板部分を掃除する場合には、五徳をはじめとした各パーツを外してから拭く必要があります。
「ちょっと汚れを拭きたいだけなのに…」と、パーツの着脱や掃除後に元に戻す作業を面倒だと感じるかもしれません。

IHクッキングヒーターの電気代を節約する方法

IHクッキングヒーターの電気代を節約する方法・電気代の安い時間につかう・節電機能を利用する・適した調理器具をつかう・電子レンジと併用する

IHクッキングヒーターの機能性には期待しているけど、価格がネックになって決めきれない場合、節電することでランニングコストを減らしましょう。
ここでは、節電を可能にする、IHクッキングヒーターのつかい方についてご紹介します。

電気代の安い時間につかう

IHクッキングヒーターの電気代を節約する方法として、電気代の安い時間につかうことが挙げられます。
電気代は専用プランを契約することによって、昼間よりも夜間のほうがお得になります。安い時間にお風呂を沸かしておく、翌朝のごはんの下ごしらえやお弁当の支度を済ませておくといった工夫をすることで、多少なりとも電気代を抑えることが可能です。

昼間は仕事などで外出していることが多く、帰宅してからまとめて料理をする習慣がある人は、夜間割引を上手に利用することで、IHクッキングヒーターにかかるランニングコストを抑えるようにしましょう。

節電機能を利用する

IHクッキングヒーターに搭載されている節電モードをつかうことも、節約する方法のひとつです。
節電モードとは、使用状況に応じて総消費電力の設定を変えるもの。節電ボタンで切り替えるだけで、簡単に使用電力を落として稼動してくれます。

メーカーや種類によっては、余熱から加熱までの火加減を自動でコントロールすることで無駄を防いだり、電気が多くつかわれる時間帯だけ最大消費電力を抑えたりすることもできる場合もあります。
面倒な手続きや難しい作業が不要なので、取り組みやすい節電方法といえるでしょう。

適した調理器具をつかう

IHクッキングヒーターに適した調理器具をつかうことも、電気代を節約する方法です。IHクッキングヒーター対応の調理器具は、熱伝導率を考慮したつくりで、調理時間の短縮が可能です。

また、IH対応器具のなかでも、加熱を助ける性質がある調理器具を選ぶことも重要です。たとえば、鍋の圧力を高めて通常より高い温度で加熱できる圧力鍋は、調理時間が短縮できるため電気代の節約につながります。
野菜の水分を利用して調理する無水鍋も、野菜などをまえもって茹でる必要がなく、調理工程を減らせる分、節電が可能です。

電子レンジと併用する

IHクッキングヒーターと電子レンジを併用することも、電気代を節約する方法といえます。
電子レンジは、野菜や肉の下ごしらえに活躍します。あらかじめ下茹でしておきたい食材は、電子レンジで加熱しておくと、IHクッキングヒーターの電気代の節約に加えて、時短にもなって便利です。軽く煮込みたいものも、電子レンジを活用するのがおすすめです。

電気代の節約方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

電気代を節約するには?効果的な4つの方法を詳しく解説

近年値上げが続く電気代。節約を考える方に向けて、効率的な家電のつかい方や省エネ製品への買い替え、電力契約や生活スタイルの見直しなど、4つの節約方法を紹介します。

IHクッキングヒーターをつかうなら、生活スタイルにマッチした電気料金のプラン選びを!

IHクッキングヒーターは、火災の心配をしたくない人やキッチンをきれいに保ちたい人におすすめの電化製品です。

IHクッキングヒーターの電気代が気になる場合には、新電力など、電力会社の乗り換えやプランの変更を検討してみてはいかがでしょうか。自分に合った料金プランで電気代を節約しつつ、IHクッキングヒーターで安全・快適に調理を楽しみましょう。

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