電子レンジの電気代はいくら?他の調理器具と比較して解説

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電子レンジは、毎日の食事の下ごしらえや、ちょっとした惣菜の温めなどに活躍する電化製品です。しかし、便利さの反面、気になるのが電気代です。各家庭で使用頻度の高い電子レンジは、どのくらい電気代がかかっているのでしょうか。
そこで本記事では、電子レンジとオーブンレンジの違いや、使用シーン別にほかの家電との電気代を比較して解説。また、効果的に電気代を節約する方法についてもご紹介します。

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目次

電子レンジとは?

電子レンジは、庫内に入れた食品にマイクロ波を照射することによって対象を加熱する電気機器です。マイクロ波を照射すると、食材に含まれる水分子にエネルギーが加わり、水分子が細かく振動したりぶつかり合ったりして発熱します。

マイクロ波はある一定の周波数の電磁波で、水分子を持つ物体に直接エネルギーを届けられるのが特徴です。この特性によって、加熱する対象自体が熱源になり、器を温めずに中の食品だけを温めることができるのです。

電子レンジとオーブンレンジは違う?

電子レンジと同様に庫内に入れた食材を加熱する電化製品に、「オーブンレンジ」があります。オーブンレンジは、オーブン加熱やグリル加熱、レンジ加熱といった機能がいっしょになった調理家電です。2つの違いは、温め方と機能、そして得意な領域に分けられます。

・温め方
レンジ加熱がマイクロ波加熱であるのに対し、オーブン加熱は庫内の空気を加熱し、食材を包み込むことで加熱する方式です。レンジ加熱は食材の中心までスピーディーに加熱しますが、オーブン加熱は周囲からじっくり加熱していきます。

・機能
電子レンジは温めることに特化していますが、オーブンレンジは多機能です。レンジ加熱とオーブン加熱、2種類の加熱方法に加えて、食材の表面を直接焼いてカリッと焦げ目をつけるグリル加熱の機能もあり、さまざまな料理につかえます。

・得意領域
電子レンジが得意な料理は、食材の温めや下ごしらえです。オーブンレンジは、ローストビーフやケーキなどの焼き物を調理したり、グラタンなどに焼き目をつけたりすることもできます。

電子レンジとオーブンレンジの電気代はいくらかかる?

ここからは、電子レンジとオーブンレンジを使用した際の電気代について、それぞれ見ていきましょう。

<電化製品の電気代の計算式>
1時間あたりの消費電力(kWh)=消費電力(W)÷1,000×1時間(h)
電化製品の電気代(円)=1時間あたりの消費電力(kW)×稼働時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)

なお、電子レンジを利用するときに表示される、500Wや600Wという数字は「定格高周波出力」と呼ばれるもので、消費電力ではないことに注意してください。定格高周波出力は、庫内の食品を温めるのに必要なエネルギー量です。

また、電子レンジやオーブンレンジの消費電力量は使用中に変化するため、購入時の製品カタログなどに記載されている「年間消費電力量」をもとに電気代を計算します。この年間消費電力量とは、電子レンジやオーブンレンジを1年間使用したときに消費する電力量のことです。

電子レンジの1か月の電気代と年間の電気代

パナソニック株式会社が公表している、消費電力1,400Wの電子レンジの年間消費電力量は、59.9(kWh/y)です。

<電子レンジ(1,400W)を1年間つかった場合の電気代>
59.9kWh/y×31円/kWh=1,856.9円

<電子レンジ(1,400W)を1か月つかった場合の電気代>
1,856.9円÷12か月=約154.74円

電子レンジを1年つかった場合の電気代の目安は約1,857円で、1か月あたりで考えると約155円であることがわかりました。

オーブンレンジの1か月の電気代と年間電気代

オーブンレンジは、レンジ部とオーブン部に消費電力が分かれています。パナソニック株式会社が公表している、消費電力1,400Wのオーブンの年間消費電力量は、14.0(kWh/y)です。

<オーブンレンジ(1,400W)を1年間つかった場合の電気代>
14.0kWh/y×31円/kWh=434円

<オーブンレンジ(1,400W)を1か月つかった場合の電気代>
434円÷12か月=約36.17円

オーブンレンジのオーブンを1年つかった場合の電気代の目安は434円で、1か月で考えると約36円となります。

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電子レンジ・オーブンレンジとほかの電化製品の電気代と比較

電子レンジの電気代といっても、実際には使用するシーンによって消費する電力量は異なります。同様の機能を持つ電化製品がある場合は、消費電力量を比較して、お得な方をつかうのも電気代の節約に有効です。続いては、電子レンジとオーブンレンジの使用シーン別に、ほかの電化製品との電気代を比較してみましょう。

ご飯1杯を温める場合の電気代

ご飯1杯を温める場合、電子レンジで加熱するほかに、炊飯器で保温する方法があります。両者の電気代を比較してみましょう。
お茶碗一杯分の量で仮定した場合、1時間の保温にかかる消費電力が16.5WhのIH圧力炊飯器の電気代は、約0.51円です。一方、電子レンジ(1,400W)で3分間ご飯を温めると、電気代は約2.17円が目安です。

<IH圧力炊飯器(16.5Wh)の1時間の保温にかかる電気代>
16.5Wh÷1,000×31円/kWh=約0.511円

<電子レンジ(1,400W)の3分間の電気代>
1,400W÷1,000×3÷60h×31円/kWh=2.17円

電子レンジは食べたいタイミングですぐに温めることができます。お茶碗1杯分程度の少量のご飯を炊飯器でずっと温め続けるのは不経済ですし、ご飯を炊飯器で炊いたあとに、4時間15分以上保温する場合は、電子レンジのほうが電気代は安いといえるでしょう。

マグカップの水を温める場合の電気代

続いて、マグカップに入れた水を温めた場合と、電気ケトルで同量の水を沸かした場合の電気代を比較してみます。

消費電力1,300Wの電気ケトルが沸騰までかかる時間を1分と仮定した場合、お湯を1回沸かすときの電気代は、約0.67円となります。一方、消費電力1,400Wの電子レンジで600Wの出力で、マグカップに入れたお湯を1分温めた場合は、約0.72円です。

<電気ケトル(1,300W)の電気代>
1,300W÷1,000×1÷60h×31円/kWh=約0.67円

<電子レンジ(1,400W)の電気代>
1,400W÷1,000×1÷60h×31円/kWh=約0.72円

実際に電子レンジは常に1,400Wの電力を消費するわけではないので、数値に違いはあるものの、両者の金額に大きな差はないようです。しかし、電子レンジはお湯が沸騰するまで温まるわけではありません。単純にお湯が必要な場合は、電気ケトルをつかい、飲み頃の温度に温めたいときは電子レンジといったつかい分けをするのがおすすめです。

電気ケトルの電気代について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

電気ケトルの電気代はいくら?電気ポットと比較して解説

電気ケトルは、短時間で必要な量のお湯を電力で沸かせる便利な電化製品です。お湯を沸かすための電気ケトルと電気ポット、やかんとの電気代の違いや節約方法を解説します。

食パン1枚をトーストする場合の電気代

最後に、食パン1枚をオーブンレンジのトースター機能で焼く場合と、トースターで焼く場合を比較します。トースターでは3分程度で焼き上がりますが、オーブンレンジの場合、庫内を温めるまで時間がかかるため、食パンを焼くのに5分程度かかるケースが一般的です。

<トースター(1,300W)の電気代>
1,300W÷1,000×3÷60h×31円/kWh=約2.02円

<オーブンレンジ(1,400W)の電気代>
1,400W÷1,000×5÷60h×31円/kWh=約3.62円

製品のタイプにもよりますが、トースターのほうが早く焼き上がる分、電気代は抑えられると考えられます。

電子レンジをつかうメリット

電子レンジは、毎日の家事の負担を軽減してくれる便利な家電です。改めて、そのメリットについて見ていきましょう。

効率良く加熱できるので調理時間が短くて済む

電子レンジでつかわれる電磁波は、水分子に反応します。そのため、水分子が含まれていない陶器やガラスなどの容器に食材を入れて加熱した場合、容器を通過して食材の内部から温めることができ、調理工程の時短につながります。そのため、野菜に火を通す下茹でなどにも便利です。

油や調味料を減らしてヘルシーな調理ができる

電子レンジを使用すると、茹でる、蒸す、煮る、焼くといった基本の調理につかう油を減らすことができます。たとえば揚げ物なら、下ごしらえを済ませた食材に油を塗って加熱するだけで良く、たっぷりの揚げ油で揚げるよりも大幅にカロリーをカットできます。

耐熱容器だけで調理可能、後片付けも簡単

通常の下ごしらえや調理では、大きめのフライパンや重い鍋をつかいます。しかし、電子レンジであれば、耐熱容器ひとつですべての工程を済ませることができ、洗い物の手間が減らせます。

電子レンジをつかう際の注意点

便利な電子レンジですが、使用にあたっては注意すべき点もあります。

突沸現象に注意

電子レンジは液体を素早く加熱するため、沸点を超えても沸騰せず、振動などの衝撃で突然激しく沸騰することがあります。
このように、静かに加熱されて沸点以上になった液体が急に沸騰することを「突沸現象」といいます。電子レンジで味噌汁や飲み物などの液体を温めるときは、時間を短めに設定して様子を見ながら加熱しましょう。

調理に向かない食材や容器もある

電子レンジで温めや調理をする場合、容器は「電子レンジ使用可」の表示と、消費者庁の家庭用品品質表示法にもとづく耐熱温度の表示があるもののみ使用できます。プラスチック容器やスチーマーなどのシリコン容器は、耐熱温度が140℃以上であることも確認してください。

プラスチックとシリコンに加えて磁器、陶器、耐熱ガラスは使用できますが、木製、金属製、漆器、耐熱性でないガラスやプラスチックは使用できません。耐熱表示のないものや加熱に不向きなものをつかうと、割れたり火災が発生したりするおそれがあるので避けましょう。

加熱時間は長すぎないようにする

電子レンジによる火災は、「必要以上の長時間加熱」「電子レンジ不可の包装ごと加熱」の2つが原因のほとんどを占めています。適切な加熱時間とW数を守り、加熱時間が自動設定されていても目を離さないようにしましょう。

電子レンジの上に物を置かない

電子レンジの上のスペースを物置として使用するのは危険です。加熱中は電子レンジの上もかなり高温になるため、変形や火災の原因になります。スペースを有効活用したい場合は、電子レンジの上部にラックなどで棚を作り、直接熱が伝わらないようにすることが大切です。

電子レンジの電気代を節約する4つの方法

電子レンジの電気代を節約する4つの方法・庫内をこまめに掃除する・一度にたくさん暖めたり解凍したりしない・冷蔵庫で事前解凍してから電子レンジをつかう・電気プランを見直す

電子レンジは消費電力が大きいですが、工夫次第で電気代の節約が可能です。ここでは、電子レンジの電気代を抑えるコツをご紹介します。

1 庫内をこまめに掃除する

意外かもしれませんが、電子レンジ内部の汚れは電気代に大きく影響します。電子レンジの仕組み上、汚れにもマイクロ波が照射され、本来調理したい食材への熱伝導率が低下してしまうからです。固く絞ったふきんなどでこまめに汚れを拭き取りましょう。

2 一度にたくさん温めたり解凍したりしない

電子レンジの庫内に食材を一度に入れすぎると、加熱ムラ・解凍ムラが生じます。急いでいるときも、小分けにして複数回加熱したほうが効率良く、電気代の節約になるのです。

同様に、食材を解凍する際も、複数の食材が密集すると、解凍するのに時間がかかります。食材同士を重ねたり、ぴったり並べてお皿に置いたりするのは避け、小分けにして順番にそれぞれ解凍するのがおすすめです。

3 冷蔵庫で事前解凍してから電子レンジをつかう

調理時間に合わせて冷凍した食材を、冷蔵庫で自然解凍しておきます。いきなり電子レンジで解凍するよりも、使用時間を短縮できます。

4 電気プランを見直す

時間帯によって異なる電気料金プランを、うまく利用する節約方法もあります。自宅でつかっている電力会社の電気料金プランを見直し、電子レンジをよくつかう時間帯に電気代が安くなるプランを選ぶことをおすすめします。

電気代の節約について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

電気代を節約するには?効果的な4つの方法を詳しく解説

近年値上げが続く電気代。節約を考える方に向けて、効率的な家電のつかい方や省エネ製品への買い替え、電力契約や生活スタイルの見直しなど、4つの節約方法を紹介します。

節約のコツを実践し、電子レンジを便利に活用しよう

電子レンジは、温めに調理に解凍にと、マルチに活躍してくれる家電です。頻繁に利用するだけに、電気代はできるだけ安く抑えたいものです。電子レンジは、電気代を節約するためのコツを実践して、賢く使いこなしましょう。

根本的な節約方法として、電気料金プランの見直しも有効です。現在の電気代が高すぎると感じたら、新電力への切り替えを検討してみることもおすすめします。

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