目次
エアコンの暖房の電気代は高い?節約する方法とほかの暖房器具との比較
冬の暖房器具として身近なエアコンですが、電気代はどれくらいかかるのでしょうか。ほかの暖房器具とどれくらい違うのでしょうか。エアコンの電気代や効率的な使い方を把握し、かしこく節電していきましょう。
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エアコンとは?
「エアコン」は「エアーコンディショナー(air conditioner)」の略で、室内の空気を冷やしたり温めたりできる空調設備のこと。熱交換器をもつ室内機と室外機が、冷媒を張り巡らせたパイプでつながれており、ファンをまわして空気の熱を移動させることで室温を調整します。
私たちの身近にある便利なエアコンですが、エアコンは電気を動力源としているため、電気代を気にする家庭も少なくありません。
エアコンを暖房器具として使うメリット/デメリット
一口に暖房器具といっても、さまざまなものがあります。エアコンを暖房器具として使用するメリットやデメリットを挙げてみましょう。
【メリット】
- 夏は冷房、冬は暖房と、年中通して使える
- 火を使わないため、やけどや一酸化炭素中毒、火災の心配がない
- 天井近くの壁に設置することが多く、子どもの手に触れにくい
- ほとんどの物件で使用できる
- 部屋全体を暖めることができる
【デメリット】
- 部屋が乾燥しやすくなる
- 一部分のみを暖めることはできない
- 室外機を置くスペースが必要
- 適切に手入れしないと、カビや雑菌が繁殖する
- 寒冷地などでは暖房効果が落ちることもある
賃貸住宅では、石油ストーブやガスファンヒーターなどの使用が禁止されていることもあります。多くの家庭で気軽に使いやすく、1台あれば暖房・冷房の両方に使えるというのはエアコンの大きなメリットでしょう。
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エアコンを暖房器具として使った場合の電気代はどれくらい?
エアコンを使用すると、どうしても電気代がかかります。暖房器具として使う場合、どれくらいの金額になるのでしょうか。
電気代の計算方法
エアコンをはじめとする電化製品の電気代は、次の計算式で求められます。
- 電気代=消費電力(kW) × 使用時間(時間) × 料金単価(円/kWh)
この計算式で、冷蔵庫やテレビ、ホットカーペットなど、電化製品の電気代を計算することが可能です。取扱説明書や本体に貼られている型名などを記したシールなどに記載されている消費電力(W)もしくは消費電力量(Wh)を調べ、計算してみてください。
実際にエアコン暖房の電気代を計算してみよう
実際にエアコンを1時間使用したときと、1日(8時間)使用したときの電気代を計算してみましょう。
たとえば、エアコンの消費電力が690Wだとします。
この場合の消費電力量は次のようになります。
- 【1時間利用した場合の消費電力量】690W×1時間=690Wh
- 【1日(8時間)利用した場合の消費電力量】690W×8時間=5.52kWh(5,520Wh)
これに、電気料金単価をかけることで電気代が算出されます。ここでは、令和4年7月公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価である31円/kWh(税込)としましょう。
すると、電気代はそれぞれ次のようになります。
- 【1時間利用した場合の電気代】690Wh(0.69kWh)×31円/kWh(税込)=21.39円(税込)
- 【1日(8時間)利用した場合の消費電力量】5.52kWh×31円/kWh(税込)=171.12円(税込)
ただし、これはあくまで計算上の金額です。外気温や室温、設定温度などで消費電力は変わってくるため、実際にかかる費用は計算と異なることも多いです。
エアコンは、暖房と冷房どちらが高い?
一般的に、エアコンの消費電力は冷房よりも暖房のほうが大きく、その分電気代もかかる傾向があります。
たとえば、先ほど計算で使用した暖房の消費電力690Wのエアコンの場合、冷房なら消費電力515W。暖房と冷房で電気代を比較すると、次のようになります。
暖房 | 冷房 | |
---|---|---|
1時間の電気代 | 21.39円(税込) | 15.97円(税込) |
1日(8時間)あたりの電気代 | 171.12円(税込) | 127.72円(税込) |
「夏、エアコンを使いすぎてしまったな…」と感じて節電に取り組んでも、冬はもっと電気代がかかる可能性があります。効率的に、節電に取り組みましょう。
節電について、こちらもチェックしてみてください。
身近な家電で実践できる節電のヒントをご紹介
ご家庭ですぐに実践できる節電のヒントや家電の電力使用量をチェック!気軽に効率よく節電にチャレンジできる、6つのヒントをご用意しました。ドコモでんき節電プロジェクトに是非ご活用ください。
暖房器具の電気代の違いを比較!エアコン以外の暖房代はどれくらい?
では、エアコン以外の暖房器具を使用した場合の電気代はどれくらいになるのでしょうか。比較してみましょう。
部屋全体を暖める!オイルヒーターとの電気代比較
エアコンと同じく、電気を使って部屋全体を暖める器具として挙げられるのが、オイルヒーターです。
オイルヒーターの消費電力は、だいたい500~1,200Wで、強度によって「弱:500W」「中:700W」「強:1,200W」などと消費電力が変わることが多いです。
「中:700W」で使用した場合の電気代は1時間あたり21.7円(税込)。1日(8時間)あたりでは、173.6円(税込)と、エアコンとそれほど変わりません。
しかし、「オイルを温めて部屋を暖める」という性質上、速暖性は低いため、使用時間が長くなると電気代も上がります。
一部を効率的に温める!そのほかの暖房器具の電気代目安
部屋全体を暖める能力は弱いものの、近くに入れば十分な暖房効果を得られるとして、セラミックファンヒーターやホットカーペット、こたつなどもよく使用される暖房器具です。
これらの電気代をみてみましょう。
セラミックファンヒーター
セラミックファンヒーターの消費電力は500~1,200Wが一般的。「弱:640W」「強:1,170W」の製品の場合、電気代は次のようになります。
弱運転 | 強運転 | |
---|---|---|
1時間の電気代 | 19.84円(税込) | 36.27円(税込) |
1日(8時間)あたりの電気代 | 158.72円(税込) | 290.16円(税込) |
弱運転ならセラミックファンヒーターはエアコンよりも安く済みますが、できるだけ広い範囲を暖めようと強運転にすると、エアコンよりも電気代は高くなります。
ホットカーペット
ホットカーペットの大きさやメーカーにもよりますが、消費電力は100~700Wが一般的。2畳のじゅうたんタイプのホットカーペットを、「高:330W」「中:230W」で使用した場合の電気代をみてみましょう。
中運転 | 高運転 | |
---|---|---|
1時間の電気代 | 7.13円(税込) | 10.23円(税込) |
1日(8時間)あたりの電気代 | 57.04円(税込) | 81.84円(税込) |
エアコンに比べて電気代は大きく節約できます。しかし、ホットカーペットの上にいなければ温かさを感じられないため、使い勝手はエアコンのほうが断然よいといえるでしょう。
こたつ
こたつの消費電力は、100~200Wほどが目安です。「弱:100W」「強:200W」で使用した場合の電気代は次のようになります。
弱運転 | 強運転 | |
---|---|---|
1時間の電気代 | 3.10円(税込) | 6.20円(税込) |
1日(8時間)あたりの電気代 | 24.80円(税込) | 49.60円(税込) |
こたつも、ホットカーペットのようにこたつ布団の中にいなければ温かさを感じられませんが、電気代はもっともおトクな暖房器具です。
しかし、使い勝手を考慮すると「暖かい部屋で家事や勉強をしたい」という方には、エアコンの使用がおすすめです。
エアコンと石油ファンヒーターはどちらが高コスト?
石油ファンヒーターも、部屋全体を暖められる暖房器具の代表格のひとつです。電気代だけを見ると、エアコンのほうがはるかにコストがかかります。
しかし、灯油代まで含めると石油ファンヒーターの暖房代(電気代+灯油代)は次のようになります。
小火力運転 | 大火力運転 | |
---|---|---|
1時間あたりの暖房代 | 9.93円(税込) | 44.03円(税込) |
電気代 | 1.92円(税込) | 4.00円(税込) |
灯油代 | 8.01円(税込) | 40.03円(税込) |
1日(8時間)あたりの暖房代 | 79.43円(税込) | 352.25円(税込) |
電気代 | 15.38円(税込) | 31.99円(税込) |
灯油代 | 64.05円(税込) | 320.26円(税込) |
【算出条件】
消費電力…小火力:62W、大火力:129W
1時間あたりの燃料消費量…0.072~0.360L
灯油代…111.2円(税込)/L
- 資源エネルギー庁「石油製品小売市況調査 令和4年11月30日 14:00公表」の「灯油11月28日」金額を参考にしています。
常に「小火力」で使用すれば石油ファンヒーターのほうが暖房代を抑えられます。しかし、実際は室温にあわせて火力が変化しているため、エアコンと石油ファンヒーターのどちらが暖房代が安いとは言い切れません。
安全面を重視して選ぶなら、火を使わず、石油を自宅で保管しなくてよいエアコンのほうがおすすめです。
暖房器具の電気代は?消費電力や特徴で部屋を暖める家電を比較
冬の寒さを乗り切るためには暖房器具が不可欠ですが、エアコンやヒーターなど、部屋全体を暖める暖房器具では特に電気代が気になるのではないでしょうか。今回は暖房器具の電気代や消費電力をご紹介し、節約する方法もご説明します。
設定温度は?つけっぱなしでもOK?エアコン暖房の基本的な使い方Q&A
身近な暖房器具ではあるものの、エアコンの使い方に疑問をもっている方もいるはずです。よくある疑問について、基本的な使い方を解説します。
エアコン暖房の設定温度は何℃が最適?
資源エネルギー庁によると、エアコンを暖房として使う場合の設定温度は20℃が目安です。
しかし、室内が寒いのを我慢してエアコンの設定温度を20℃にするのはよくありません。室温を設定温度まで上げるために時間がかかり、より電気代がかさむ可能性もあります。
無理のない範囲で温度を設定しましょう。
設定温度を1℃変えるだけじゃ電気代は変わらないのでは…
エアコン暖房の設定温度を、1℃変えるだけでも年間で見ると大きな節約になります。
たとえば、外気温6℃のとき、エアコン(2.2kW)の設定温度を21℃から20℃に下げて1日9時間使用した場合です。
消費電力量は年間で電気53.08kWh、電気代は約1,650円(税込)の節約となります。
また、外気温31℃のとき、エアコン(2.2kW)の設定温度を27℃から28℃に上げて1日9時間使用した場合、消費電力量は年間で30.24kWh、電気代は約940円(税込)の節約になります。
エアコンの風向きはどの向きがいいの?
エアコンを暖房で使用する場合、風向きは下に向けましょう。
暖かい空気は上にたまるため、風向きを水平にしていると、天井付近のみが暖かくなり足元が寒くなってしまいます。すると、設定温度を上げることになり、消費電力量が増えて電気代がかさみます。
反対に、冷たい空気は下にたまるため、冷房使用の場合は風向きを水平にして、効率的に部屋の温度を調整しましょう。
こまめに切るのとつけっぱなしではどちらがおトク?
室温を大きく上げたり下げたりするときに、エアコンの消費電力は増えます。そのため、節電のつもりでこまめにつけたり消したりしているにもかかわらず、電気代がかさんでしまう可能性もあります。
どれくらいの時間外出するかによって、消すかつけっぱなしにするかを考えましょう。
1日中、家にいる場合
1日中家にいる場合は、エアコンを自動運転にしてつけっぱなしにするのがよいでしょう。室温がエアコンの設定温度になってしまえば、つけっぱなしでもそれほど電気代はかかりません。
1時間以内のちょっとした外出をする場合
短時間の外出の場合も、エアコンをつけっぱなしにしたほうがおトクです。短時間の外出なら、室温をできるだけ変えないことが節約のポイントです。
数時間の外出の場合
長時間の外出の場合は、エアコンを使わず電気代をかけないほうがおトク。帰宅時にエアコンの消費電力量は大きくなりますが、数時間~半日以上いないのにエアコンをつけっぱなしにしておくほうが、電気代はかかるでしょう。
エアコン暖房を効率的に使う!電気代を節約するコツ
より節電効果を高めるために、エアコンを使う際は、次のポイントを考慮してみてください。
- エアコンを自動運転で使用する
- こまめにフィルター掃除をする
- 室外機を掃除する
- 室外機のまわりにものを置かない
- 積雪地域では、室外機の防雪対策をする
- サーキュレーターを併用する
- カーテンなどで外気をシャットアウトする
- いつもより1枚多めに着て、暖房の設定温度を下げる
月に1~2回ほどフィルターを掃除するだけで、年間31.95kWh、約990円(税込)の節約になります。
また、せっかく暖かくなった部屋の中で風を起こすと、部屋の空気が下がってしまいそうな気がしますが、サーキュレーターで空気を循環させることも大切。室内に気温のムラができることを防ぎ、部屋を効率的に暖められるでしょう。
エアコン暖房を上手に使って賢く電気代を節約しよう
エアコンの電気代について解説しました。ポイントをまとめてみましょう。
- エアコンは、暖房にも冷房にも使える便利な家電
- 火事ややけどの心配がなく、あんしんして使えるのがメリット
- お手入れの状態によってはカビや雑菌が繁殖する可能性があるため注意
- 電気代は「1時間あたりの消費電力(W)×使用時間(h)×電気料金単価(円/Wh)」で計算
- 節電のポイントをおさえて使えば、エアコンがもっとも便利でおトクな暖房器具である
- エアコンの設定温度を20℃にして風向きを下にし、サーキュレーターを併用するのがポイント
消費電力量が大きく、電気代がかさむイメージのあるエアコンですが、使い方を工夫することで、節約につながります。
エアコンを効率的に使って節電し、地球にもお財布にも優しい生活を心がけましょう。
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