目次
電気代が安くなる時間帯は何時から?契約時の注意点とは
電力会社には、最も一般的な「従量電灯」と呼ばれるプランのほか、電気を使用する時間によって電気代が変わるプランがあります。電気代が安い時間帯に合わせて電力を使用できるなら、プラン変更によってこれまでよりも電気代を節約できるかもしれません。
本記事では、電気代が安い時間とその理由のほか、時間帯別料金プランの例や時間帯別の料金を比較します。また、契約する際の注意点などについても詳しく見ていきましょう。
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電気代は時間によって安くなる料金プランがある
「外出時にテレビの主電源を切る」「つかっていないコンセントを抜く」といったこまめな節電に取り組んでいても、「そもそも電気料金がどう決まっているかをあまり意識していない」という人は少なくありません。
実は、電気料金のプランはひとつではなく、希望に応じて変更することが可能です。
つかった電気の量に比例して電力量料金単価が上がる「従量電灯プラン」
一般家庭向けのベーシックな電気料金プランは「従量電灯プラン」と呼ばれるもので、つかった電気の量に比例して、1kWhあたりの電力量料金単価が上がります。
これまでに電力会社や電気料金プランを変更したことがない場合には、通常はこのプランでの契約になっていることが多いでしょう。
時間帯によって電気が安くなる「時間帯別料金プラン」
電力を使用する時間帯が料金に直結するのは、「時間帯別料金プラン」です。
時間帯別料金プランは、通常料金の時間帯と、通常料金より電気料金が安くなる時間帯が設定されているものです。電力会社によっては、季節によって電力料金が変化するプランも。対象となる時間帯は電力会社によって異なるものの、電力を使用する人が減る夜間から早朝の電気料金を安く設定し、1日の電力使用量の平均化を図るものが多数見られます。
電気を多くつかう時間帯は家庭によってさまざまですが、多くを占めるのは一般的な昼型の家庭。朝ごはんやお弁当の準備と片付けが重なる朝や、パソコンや掃除機、洗濯機など電化製品を多く使用する昼間、帰宅から就寝までの時間帯に多く電力を消費するライフスタイルです。
一方、朝早くから夜遅くまでオフィスで働いていて昼間はほぼ家にいない家庭や、夜間や早朝に活動する家庭もあります。こうした家庭は、全体の大多数を占める昼型の家庭が寝ている時間帯に電気をつかっているため、電気料金プランを見直すことで電気代を大幅に削減できる可能性があります。
昼型の家庭でも、たとえば洗濯・乾燥や食器洗いなど、スイッチひとつで機械に任せられる家事を夜間から早朝にかけての時間帯に移動できるなら、プラン変更をすることで負担が軽くなるかもしれません。
時間帯別料金プランで電気代が安くなる時間帯
電気を使用する時間帯によって料金が変わる時間帯別料金プランは、多くの電力会社が用意しています。時間帯別料金プランにすると、総合的な電気使用量が少ない夜間の電気料金が安くなります。
ここでは、利用者の多い東京電力などの旧一般電気事業者を例に、時間帯別料金プランおよびその時間帯について見ていきましょう。
■旧一般電気事業者の時間帯別料金プランの電気代が割引される時間帯
電力会社 | プラン名 | 電気代が割引される時間帯 |
---|---|---|
北海道電力 | eタイム3プラス | 午前8:00~午後1:00、および午後6:00~翌午前8:00 |
東北電力 | よりそう+ナイト8 | 午後11:00~翌午前7:00 |
北陸電力 | くつろぎナイト12 | 平日午後8:00~翌午前8:00、および休日午前8:00~午後8:00 |
東京電力エナジーパートナー | 夜トクプラン 夜トク8 | 午後11:00~翌午前7:00 |
夜トクプラン 夜トク12 | 午後9:00~翌午前9:00 | |
中部電力 | スマートライフプラン | 午後10:00~翌午前8:00 |
スマートライフプラン【朝とく】 | 午後11:00~翌午前9:00 | |
スマートライフプラン【夜とく】 | 午後9:00~翌午前7:00 | |
関西電力 | はぴeタイムR | 平日午前7:00~午前10:00、および平日午後5:00~翌午前7:00、および休日午前7:00~翌午前7:00 |
中国電力 | ナイトホリデーコース | 平日午後9:00~翌午前9:00 休日午前12:00~翌午前12:00 |
四国電力 | 時間帯別eプラン | 午後11:00~翌午前7:00 |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト21 | 午後9:00~翌午前7:00 |
電化でナイト・セレクト22 | 午後10:00~翌午前8:00 | |
電化でナイト・セレクト23 | 午後11:00~翌午前9:00 | |
沖縄電力 | 時間帯別電灯 | 午後11:00~翌午前7:00 |
旧一般電気事業者10社はいずれも時間帯別料金プランを導入しており、時間帯に若干の差はあるものの総じて夜間から早朝に電気代が安くなる時間が設定されていることがわかります。
1日で使用する電力の多くが午後11時から翌朝8時頃までに集中している生活パターンの場合、時間帯別プランへ変更した方が電気代は安くなるといえます。
時間帯別料金プランにおける高くなる時間帯と安くなる時間帯の料金単価を比較
時間帯別料金プランにおける電気代の高くなる時間帯と安くなる時間帯の料金差は、どのぐらいあるのでしょうか。旧一般電気事業者の時間帯別料金プランを例に、「最も高くなる時間の料金単価」と「最も安くなる時間の料金単価」を比較してみましょう。
■旧一般電気事業者の時間帯別料金プランにおける、電気代が高くなる時間帯と安くなる時間帯の料金単価
電力会社 | プラン名 | 最も高くなる時間帯の料金単価 | 最も安くなる時間帯の料金単価 |
---|---|---|---|
北海道電力 | eタイム3プラス | 50.84円/kWh | 26.36円/kWh |
東北電力 | よりそう+ナイト8 | 31.26円/kWh(90kWhまで)、39.30円/kWh(90kWh超230kWhまで)、44円/kWh(230kWh超) | 27.68円/kWh |
北陸電力 | くつろぎナイト12 | 39.87円/kWh | 26.98円/kWh |
東京電力エナジーパートナー | 夜トクプラン 夜トク8 | 42.80円/kWh | 31.84円/kWh |
夜トクプラン 夜トク12 | 44.36円/kWh | 33.53円/kWh | |
中部電力 | スマートライフプラン、スマートライフプラン【朝とく】、スマートライフプラン【夜とく】 | 38.95円/kWh | 16.63円/kWh |
中国電力 | ナイトホリデーコース | 49.36円/kWh | 34.55円/kWh |
四国電力 | 時間帯別eプラン | 33.56円/kWh(90kWhまで)、40.84円/kWh(90kWh超230kWhまで)、43.15円/kWh(230kWh超) | 25.80円/kWh |
九州電力 | 電化でナイト・セレクト21、電化でナイト・セレクト22、電化でナイト・セレクト23 | 27.57円/kWh | 14.48円/kWh |
沖縄電力 | 時間帯別電灯 | 43.63円/kWh(90kWhまで)、50.06円/kWh(90kWh超230kWhまで)、52.35円(230kWh超) | 29.53円/kWh |
比較すると一目瞭然ですが、どの電力会社の時間帯別料金プランも夜間や休日などの安い時間帯がある分、平日昼間といった高くなる時間帯もあります。時間帯別料金プランの場合、平日昼間などの料金単価が高くなる時間帯の電気代は通常の従量電灯プランの料金よりも高く設定されていることが多いため、十分に検討した上でプランを決定しないと、電気代が高くなってしまうこともあるでしょう。
- 出典:北海道電力株式会社「eタイム3プラス」
- 出典:東北電力株式会社「よりそう+ナイト8」
- 出典:北陸電力株式会社「くつろぎナイト12」
- 出典:東京電力エナジーパートナー株式会社「夜トクプラン」
- 出典:中部電力ミライズ株式会社「スマートライフプラン」
- 出典:中国電力株式会社「ナイトホリデーコース」
- 出典:四国電力株式会社「時間帯別eプラン」
- 出典:九州電力株式会社「電化でナイト・セレクト」
- 出典:沖縄電力株式会社「時間帯別電灯」
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電気代が夜間に安くなる理由
時間帯別料金プランなどで電気代が夜間に安く設定されているのは、夜間は昼間に比べて電気をつかう人の絶対数が少ないからです。
実は、電気の発電量は、昼間も夜間も変わりません。電気は時間帯で発電量を調節したり、ためたりしておくことができないので、消費される電力量を下回らないよう、常にピーク需要に合わせて発電しておく必要があるからです。そのため、電力量の料金単価は使用量が多い時間帯は高く、少ない時間帯は安くなります。
そのような理由から電力会社は時間帯別料金プランを設定し、余剰電力があり電気代を安く抑えられる夜の電力使用を推奨することによって、時間帯や季節によって差がある電力需要の標準化をめざしているのです。
時間帯別料金プランを契約する際の注意点
時間帯別料金プランは、上手に活用すれば節約効果が高いプランです。しかし、場合によっては期待したような節約効果が得られないケースもあります。時間帯別料金プランは、下記の3点に注意しなければなりません。
ライフスタイルに合う料金設定を選ぶ
時間帯別料金プランは、すべての人にとってお得になるわけではありません。このプランが向いているタイプについては次の項目で紹介しますが、ごく一般的な昼型のライフスタイルのご家庭の場合、むしろこれまでより電気代が高くなってしまうことも。
普段、どんなタイミングで電気を多くつかっているのか、ご家庭のライフスタイルを十分に見直すことが大切です。
消費電力の大きい電化製品を知る
時間帯別料金プランの節約効果は、電化製品をつかって行う家事を電気代が安い時間帯にシフトすることで実感できます。
時間帯別料金プランを契約している場合、使用頻度が高く消費電力が大きい電化製品は、夜間に使用すると電気代が安くなるでしょう。消費電力が大きい電化製品には、下記のようなものがあります。
<消費電力が大きい電化製品>
・IHクッキングヒーター(200V):20~30A(最大使用時58A)
・アイロン:14A
・食器洗浄機(100V卓上タイプ):13A
・IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時):13A
・ドラム式洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量9kg):洗濯時2A、乾燥時13A
・ヘアードライヤー:12A
- 出典:東京電力エナジーパートナー株式会社「主な電気機器のアンペアの目安」
時間帯料金別プランを設定する場合には、食器洗浄機やドラム式洗濯乾燥機は夜寝る前に回す、少し早起きして朝ごはんの支度をする、アイロンは朝ではなく夜かけるようにするといった調整をしながらつかうと、より電気代が安くなります。
電力会社をよく比較する
電気料金プランは電力会社によってさまざまで、特に電力販売に新規参入した小売電気事業者(新電力)は、消費者の多様なライフスタイルに合うよう工夫をこらしたプランを用意しています。
新電力の中には、今回ご紹介した旧一般電気事業者の時間帯別料金プランよりもお得につかえるものも多くあります。
同じように見える時間帯別料金プランでも少しずつ特徴が異なるため、詳細をよく見比べることが重要といえるでしょう。
時間帯別料金プランが向いているライフスタイル
電気代の時間帯別料金プランが向いているのは、どのようなライフスタイルの人なのでしょうか。下記に挙げるどちらかに該当する人が向いているといえます。
オール電化住宅や蓄電池を導入している
通常より消費する電力量が多いオール電化の住宅では、時間帯別料金プランへの切り替えることで電気代を削減できる可能性が高まります。夜中にお湯を沸かしてためておく電気温水器や夜間電力をつかって蓄熱する床暖房など、特に電気を多くつかう昼間の電力消費を抑え夜に集中させる設備が多いオール電化なら、全体の電気代を抑えられます。
また、電気代の安い夜間に充電して蓄電できる蓄電池も導入すれば、さらに電気料金を安くできるでしょう。
昼間は家に人がいない
日中に仕事や学校で人が誰もいない家庭も、昼間はほとんど電気をつかわないため、夜間の電気料金が割安になる時間帯別料金プランを利用すると電気代が安くなるでしょう。ただし、週に何度か在宅勤務があったり、不在がちではあるが比較的帰りが早いパート勤務であったりする場合には、電気代が安くなる時間帯をしっかり確認してから、電気料金のプランに申し込むことが大切です。
オール電化の電気代について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。
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電気代が安くなる時間をうまくつかって節約しよう
夜間の電気代が安くなる時間帯別料金プランは、日中不在が多いという家庭や、電気の使用量が多いオール電化の家庭が利用すると、電気代が安くなる可能性が高くなります。反対に、日中在宅が多いような家庭や、家族がみんな早寝するという家庭は、通常のプランのほうが節約できることが多いでしょう。
電気代が安くなる可能性があるとはいえ、日頃の自分の生活スタイルを変えるのはなかなか簡単なことではありません。導入前によく検討するようにしてください。
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