従量電灯とは?A・Bの料金プランの違いや計算方法・仕組みを解説

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従量電灯プランは、ごく一般的な電気料金のプランです。電気料金プランの見直しや電力会社の乗り換えなどをしたことがない人は、従量電灯プランになっている場合がほとんどだといえます。

しかし、従量電灯プランの料金の計算方法や仕組みを知らずに、契約したままつかっている人が多いかもしれません。電気料金のプランには、従量電灯以外にも多様なプランがあります。

本記事では、従量電灯プランの計算方法を知り、現在契約している電気料金プランが自分の生活スタイルに合っているかどうか検討してみましょう。

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目次

従量電灯は一般的な電気のプランのひとつ

電気料金のプランのひとつである従量電灯は、旧一般電気事業者と呼ばれる東京電力エナジーパートナーや関西電力といった大手電力会社が提供している一般的なプランで、多くの契約者がいます。
そのため、新電力への切り替えや電力プランの見直しなどを行っていないのであれば、従量電灯プランでの契約になっている可能性が高いでしょう。

自分の契約プランを確認したい場合は、電気料金の検針票や電力会社のウェブサイトのマイページなどに契約中のプランが記載されているので、確認してみてください。

従量電灯プランには、次のような特徴があります。

従量電灯プランの電力量料金は「三段階料金」になっている

従量電灯プランの電力量料金は、使用した電力量に応じて、1kWhあたり3段階の単価が設定される「三段階料金」となっています。

たとえば、東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの電力量料金単価は、最初の120kWhまでが30.00円/kWh、120kWh超300kWhまでが36.60円/kWh、300kWhを超えると40.69円/kWhです。この金額に基本料金などを加えた額が、月々の電気料金ということになります。

仮に、東京電力の従量電灯Bを契約している人が1か月に350kWhを使用するとします。この場合の電力量料金を計算すると、以下になります。

<東京電力の従量電灯Bを契約者が1か月に350kWh使用した場合の電力量料金>
40.69円/kWh×(350kWh-300kWh)=2,034.5円(300kWh超の電力量料金)
36.60円/kWh×(300kWh-120kWh)=6,588円(120kWh超300kWhまでの電力量料金)
30.00円/kWh×120kWh=3,600円(120kWhまでの電力量料金)
2,034.5円+6,588円+3,600円=1万2,222.5円

電力量料金は、1円以下は切り捨てで1万2,222円となります。

このように、電力量料金単価が上がるのは一定の使用料を超えた部分のみで、電気の使用量が多かったとしてもすべてが上がるわけではありません。

燃料費調整額に上限がある

従量電灯プランでは、国によって価格に規制がある「規制料金プラン」でもあります。
そのため、利用者を保護するために、国は「燃料費調整単価」の上限を決めています。燃料費調整単価は、燃料費の価格変動に応じて電気料金に加算されたり減算されたりする「燃料費調整」の単価です。

電気料金は燃料費調整額に大きく左右されることから、電力量料金だけを見て「高い」「安い」と決めることはできません。いくら電力量料金が安くても、燃料費調整額が高額であれば結局電気料金は安くならないでしょう。そこで、従量電灯プランでは燃料費調整額が高額になりすぎないよう、あらかじめ上限が決められているのです。

なお、規制料金プランではなく、2016年の電力自由化以降に作られた自由料金プランの場合には、燃料費調整額に上限がありません。

燃料費調整額について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

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従量電灯プランの電気料金の計算方法

従量電灯プランの電気料金計算方法は事業者によって異なりますが、おおよそ2種類に分けられます。ここでは、東京電力エナジーパートナーや関西電力、九州電力といった旧一般電気事業者の従量電灯プランのうち、多くの一般家庭で契約されている「従量電灯B」と「従量電灯A」プランについて計算方法を紹介します。

なお、北海道電力、東北電力、東京電力エナジーパートナー、北陸電力、中部電力、九州電力では従量電灯Bが、中国電力、四国電力、関西電力では従量電灯Aがベーシックな家庭向けプランです。沖縄電力には、従量電灯のプラン分けがありません。

従量電灯Bの電気料金の計算方法

東京電力エナジーパートナーなどで適用されている従量電灯Bの電気料金は、以下の式で算出できます。

<従量電灯Bの電気料金の計算式>
電気料金=基本料金(契約アンペア数ごとに決定)+電力量料金(電気の使用量×1kWhあたりの料金+燃料費調整額)+再生可能エネルギー発電促進賦課金

・基本料金

基本料金は、契約するアンペア数によって異なります。契約はそれぞれの契約者が、自宅の電気使用量に応じて自由に決めることが可能です。
アンペア数が大きくなるほど多くの電化製品を同時につかえますが、その分基本料金は高額になります。一般的な一人暮らしの住宅では20~30A程度、3~4人の家族世帯では40~50A程度が目安になるでしょう。
なお、従量電灯Bで契約できるアンペア数の上限は60Aです。60Aを超える契約をしたい場合は、従量電灯Cで契約しましょう。

■従量電灯Bの基本料金表

A(アンペア)数 料金
10A 295.24円
15A 442.86円
20A 590.48円
30A 885.72円
40A 1,180.96円
50A 1,476.20円
60A 1,771.44円
  • 一切電気を利用しなかった場合は、上記金額の半額になります。
  • 出典:東京電力エナジーパートナー「従量電灯B・C

・電力量料金

電力量料金は、利用した電気の量に応じて発生する料金です。電気の使用量が増えるにしたがって、電力量料金も高額になります。

■従量電灯Bの電力量料金表

3段階の区分け 料金
120kWhまで(第1段階料金) 30.00円/kWh
120超300kWhまで(第2段階料金) 36.60円/kWh
300kWh超(第3段階料金) 40.69円/kWh

<従量電灯Bの電気料金の計算例>
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bで契約していて、契約アンペア数が40A、月の使用電力量が280kWhだった場合の電気料金を計算してみましょう。

40Aの基本料金は1,180.96円、使用電力量が120kWhまでの電力量料金は30.00円/kWh、120kWhを超えて300kWhまでは36.60円/kWhです。

30円/kWh×120kWh+36.60円/kWh×(280kWh-120kWh)=9,456円

よって、電力量料金は9,456円です。これに40Aの基本料金である1,180.96円を足し、端数を切り捨てて電気料金を算出します。

1,180.96円+9,456円=1万636円

ただし、実際にかかる電気料金は、時期に応じた燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金などに応じて変動します。

従量電灯Aの電気料金の計算方法

関西電力などで適用されている従量電灯Aの電気料金は、以下の計算式で求められます。

<従量電灯Aの電気料金の計算式>
電気料金=最低料金(一定の電気の使用にかかる料金)+電力量料金(電気の使用量×1kWhあたりの料金+燃料費調整額)+再生可能エネルギー発電促進賦課金

最低料金は433.41円、電力量料金は使用料に応じて3段階の単価が定められています。なお、1か月の電気の使用量が15kWh以内だった場合には、電力量料金はかかりません。

■従量電灯Aの料金表

最低料金と3段階の区分け 料金
最低料金(最初の15kWhまで) 433.41円
15超120kWhまで(第1段階料金) 20.31円/kWh
120超300kWhまで(第2段階料金) 25.71円/kWh
300kWh超(第3段階料金) 28.70円/kWh

<従量電灯Aの電気料金の計算例>
関西電力の従量電灯Aで契約していて、契約アンペア数が40A、月の使用料が280kWhだった場合の電気料金を計算してみましょう。

最低料金は433.41円、15kWhから120kWhまでの電力量料金が20.31円/kWh、120kWhを超えて300kWhまでの電力量料金が25.71円/kWhです。

20.31円/kWh×(120kWh-15kWh)+25.71円/kWh×(280kWh-120kWh)+433.41円=6,679.56円

実際には、1円未満を切り捨てた6,679円に、燃料費調整や再生可能エネルギー発電促進賦課金などを反映した金額が電気料金になります。

燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金の役割と金額

一般的な電気料金は、基本料金や電力量料金だけでなく、燃料費調整額と再生可能エネルギー発電促進賦課金も反映して算出します。それぞれの目的と算出方法は下記のとおりです。

・燃料費調整額
燃料費調整額は、燃料費の変動をスピーディーに電気料金に反映させるための費用です。燃料費調整単価に月々の電力使用量を掛けて算出します。燃料費調整額は状況に応じて、プラスになることもあればマイナスになることもあります。

・再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーによる発電を電力会社が買い取る際の費用の一部を、利用者が負担する制度にもとづいた料金です。法令によって定められた年間の金額を、月々の電力使用量に掛けて求めます。
なお、2023年5月分から2024年4月分までの再生可能エネルギー発電促進賦課金は、1.4円/kWhです。

再生可能エネルギー発電促進賦課金について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

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従量電灯以外にも、電気料金にはさまざまなプランがある

電気料金のプランは、従量電灯プランだけではありません。2016年4月の電力自由化によって、新たに電気事業に参入した事業者がさまざまなプランを打ち出しています。また、旧一般電気事業者にも従量電灯プラン以外のプランがありますから、ライフスタイルや希望に合ったプランを選択することが可能です。

電気事業者ごとにプランの詳細は異なりますが、ここでは3タイプのプランをご紹介します。このほかにもさまざまなプランがありますから、各事業者の公式サイトで自分に合ったプランを探してみましょう。

つかった分の料金だけを支払う完全従量料金制のプラン

最低料金や基本料金を設けず、つかった電気使用量の分だけ電気料金を支払う完全従量課金制のプラン。セカンドハウスや別荘などの継続的に使用しない住宅の電気は、完全従量料金制のプランにすると電気料金の無駄をなくせる可能性があります。

基本料金や最低料金の設定がある従量電灯プランの場合は、「今月は電気をつかっていないから料金を支払わない」というわけにはいきません。一切電気をつかっていなくても、一定の料金が発生します。電気料金0円を実現できるのは、完全従量料金制プランのメリットだといえるでしょう。

季節や時間帯によって料金単価が変動するプラン

季節や時間帯に応じて電気料金の単価が変動するプランは、昼間や夏季など、電力消費量が多くなるピークタイムに電気料金が高くなり、オフピーク時間や夜間は電気料金が安くなります。

昼間は出勤していて家に誰もいない家庭や、昼夜逆転生活をしている人、蓄電池があって電気料金が安い時間の電気を活用しやすい場合などは、通常よりも安価に電気を利用できる可能性があるでしょう。

また、新電力の会社の中には、昼間や夜間といった大きな区切りを事前に作るのではなく、市場に連動して1日の中で電気料金が変わるプランや、一定時間電気料金が無料になるプランなどを打ち出しているところもあります。自分のライフスタイルや電気料金に対する考え方に合わせて選択してみてください。

ガス料金とセットで申込んだり提携ポイントが貯まったりするお得なプラン

電気会社の中には、ガスと申込むことで割引を利用できたり、月々の電気料金の支払いで提携ポイントがためられたりするお得なプランを用意しているところも多くあります。

ただし、電気とガスのセットプランは申込みエリアが限定的であったり、どちらか片方だけの解約をするのが難しかったりする場合もあります。利用する際は、対応エリアや解約方法などを事前に確認しておきましょう。また、ガス料金と電気料金を合計して、本当に合計の支払額が安くなるかをチェックすることも大切です。

電気料金の支払いでdポイントが貯まるドコモでんきについて詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。
ドコモでんきの料金プラン

従量電灯の仕組みを知って、自分の暮らしに合う電気料金のプランを見つけよう

電力自由化によって、電気料金プランの選択肢が大きく広がりました。従量電灯プランの仕組みと新電力のプランの詳細を理解した上で、それぞれのご家庭に適したプランを選択してください。

最適なプランは、それぞれの暮らし方によって変わります。まずは検針票をお手元に用意して、現在の料金プランや年間の電気の使用量、電気料金の移り変わりなどを確かめるところからはじめてみてはいかがでしょうか。
電気のつかい方や電気料金と向き合うことが、節約につながるプラン選びの第一歩です。

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  • 2023年8月1日時点の情報です。
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