テレビの電気代は有機ELと液晶でどれくらい違う?1時間の電気代を比較

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大画面化・薄型化・高画質化を軸に開発が進められてきたテレビ。画素数が従来のハイビジョンの4倍の4K、8倍の8Kなども登場し、より臨場感のある映像が楽しめるようになりました。最近では、インターネットにつないで動画やネット配信を見たり、テレワークで大画面モニターとして使用したりする人も増え、テレビを活用するシーンの幅も広がっています。

そこで気になるのが、テレビの電気代です。テレビの電気代を節約するにはどのような方法があるのでしょうか。本記事ではテレビの電気代を決める要素や、節約方法について解説します。

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目次

テレビの電気代はいくらかかる?

テレビの電気代を決める要素は、大きく「パネル」「サイズ」「解像度」「年式」の4つです。まずは、それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。

パネル

電気代を決める要素のひとつに、パネルがあります。パネルとはテレビのディスプレイのことで、大きく「液晶テレビ」「有機ELテレビ」「プラズマテレビ」の3つに分けられます。

・液晶テレビ

液晶テレビのパネル:バックライト、液晶パネル、赤・緑・青のカラーフィルターで構成

液晶テレビは、バックライト、液晶パネル、赤・緑・青のカラーフィルターで構成されているテレビで、バックライトの光を液晶パネルの開閉によってコントロールして色を作り、通過した光がカラーフィルターに到達すると映像が映し出される仕組みです。
現在はさまざまな種類のテレビが発売されていますが、主流は比較的リーズナブルで消費電力の少ない液晶テレビで、コンパクトサイズから大画面まで豊富にそろっています。動きの速い映像や暗いシーンを映し出すのが苦手とされてきましたが、最近の製品は少しずつ改良が進み、4K対応モデルも多く発売されています。

・有機ELテレビ

有機ELテレビのパネル:バックライトがなし、赤・緑・青のカラーフィルターで構成

有機ELテレビは、バックライトがなく、有機EL素子が自然に発光する現象を利用してパネルそのものが発光する仕組みです。完全な黒を表現できるのが特徴で、プラズマより明るく、暗い映像を好む人にも満足できる色の表現が可能です。
消費電力量は低いですが、液晶テレビには安価な製品が登場していることもあり、相対的に見て有機ELテレビが高く感じられるかもしれません。

・プラズマテレビ

プラズマテレビのパネル:バックライトなし、蛍光体、ガラスで構成

プラズマテレビは、画素の一つひとつがプラズマ発光によって光る仕組みとなっています。色のコントロールに優れていますが、その分消費電力量は高めです。液晶と同じ画面サイズでも、消費電力だけ見ると2倍以上になる場合も。なお、国内におけるプラズマテレビの生産は、2013年に終了しています。

液晶テレビ、有機ELテレビ、プラズマテレビのそれぞれについて、1時間あたりの電気代を算出して比べてみましょう。
電化製品の1時間あたりの電気代は、次のように算出できます。

<電化製品の電気代の計算式>
1時間あたりの消費電力量(kWh)=消費電力(W)÷1,000×1時間(h)
電化製品の電気代(円)=1時間あたりの消費電力(kW)×稼働時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)

  • 計算式は、電力量料金単価を31円/kWhで計算しています。

■液晶テレビ・有機ELテレビ・プラズマテレビの電気代の比較

消費電力 1時間あたりの電気代
液晶テレビ(49V型) 230W 7.13円
有機ELテレビ(48V型) 280W 8.68円
プラズマテレビ(46V型) 470W 14.57円
  • 各製品のサイズは近しい大きさで比較。消費電力は「テレビ TOP|REGZA<レグザ>TOSHIBA(東芝)」内で公表されている数値を参照しています。ただし、プラズマテレビは2013年に生産終了しているため参考値です。

サイズ

基本的にテレビは、画面サイズが大きいほど電気代も高くなります。設置場所と用途に応じて、最適なサイズを選びましょう。なお、モニターディスプレイの大きさを示す単位には、「V型」と「インチ」があります。

・V型

V型のVはビジュアルサイズ(Visual Size)のことで、実際に映像が映る画面の対角線の長さです。

・インチ

インチは、画面の枠に隠れた部分を含めた画面全体の対角線の長さです。したがって、「27V型」と「27インチ」があった場合、27V型のほうが実際の映像が映る画面は大きくなります。

■テレビのサイズごとの年間消費電力量

テレビのサイズ 年間消費電力量
75V型 261kWh/年
65V型 246kWh/年
55V型 198kWh/年
50V型 143kWh/年
43V型 112kWh/年
32V型 62kWh/年
  • 年間消費電力量は、一般家庭での1日の平均視聴時間(2012年度基準4.5時間、2026年度基準5.1時間)を基準に算出した、1年間に使用する電力量です。

解像度

解像度は、画面の1インチ(2.54cm)あたりの画素数です。通常、縦方向の画素数を横方向の画素数と掛け合わせ、「pixel(ピクセル)」で表します。画面サイズが同じ場合、解像度が高いほど表示できる情報量が多く、消費電力も上がります。そのため、画面が大きく解像度が高いテレビは電気代が高くなるといえます。

現在つかわれている解像度は、「ハイビジョン(1,366×768)」「フルハイビジョン(1,920×1,080)」「4K(3,840×2,160)」「8K(7,680×4,320)」の4つです。

<テレビの解像度の種類>

テレビの解像度の種類:・HD 1280×720・2K 1920×1080・4K 3840×2160・8K 7680×4320

・ハイビジョン(1,280×720以上):

地上デジタル放送の開始当初の一般的な映像規格です。

・フルハイビジョン(2K)(1,920×1,080):

デジタル放送における、本来のハイビジョン画質を表現できるといわれる解像度です。

・4K(3,840×2,160):

フルハイビジョンの2倍のきめ細かさ。2018年から4K・8K放送がスタートしており、4K対応テレビに買替えれば従来のBSアンテナで見ることができます。

・8K(7,680×4,320):

現時点で最高峰の映像規格。4K同様、こちらもテレビを買替えれば8K対応の番組を見ることができます。

年式

テレビの電気代は、年式によっても変わります。年式が新しいテレビには、画面の明るさを自動調整したり、一定期間操作がないと自動で電源が切れたりといった省エネ機能が搭載されているものが多く、年々省エネできるようなモデルも登場しています。
しかし、最新型のテレビは、省エネ以外の機能も充実しており、その分消費電力が高いという相反する面もあるので注意が必要です。つかいたい機能と省エネ性能とのバランスをチェックしましょう。

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テレビの電気代を節約するための5つのコツ

消費電力量が少ないテレビや、省エネ性能が高いテレビを購入しても、つかい方が間違っていれば電気代はかさんでしまいます。電気代を節約するため、下記のポイントを心掛けましょう。

1 つけっぱなしにしない

テレビの電源をリモコンで切っても、主電源がついていれば電力は消費されています。テレビを見ないときは主電源もオフにすることで、電気代の節約につながります。
長期の出張や旅行などで不在にする際は、待機電力をなくすため、コンセントからプラグを抜いておくのもおすすめです。

2 画面の掃除をこまめに行う

「画面が暗い」「なんとなく見えにくい」と思ったら、まずはディスプレイのほこりを払い、画面を拭きましょう。画面にはほこりがつきやすく、汚れのせいで暗く感じてしまう場合があります。明るさ調節をすると消費電力は上がるので注意が必要です。

3 画面設定を見直す

無意識のうちに、電力を多く消費する映像モードを選択していないか、画面設定を見直すことも重要です。映画を見るときなどに使うモードや、ゲームをする人に適したモードになっていると、消費電力が大きくなります。日常的な番組を見るなら、標準モードなどスタンダードなモードにしておくことがおすすめです。
より消費電力を減らしたいなら、省エネモードを搭載しているテレビを選ぶといいでしょう。

4 省エネモードをフル活用する

省エネモードが選べるテレビは、それだけで消費電力を抑えられることもあります。たとえば、部屋の明るさに合わせて画面の明るさを自動調整してくれる明るさセンサーや、一定期間操作がないと勝手に電源をオフにする自動電源オフ機能などがあるときは、ぜひ活用しましょう。省エネモードの内容はメーカーごとに異なるため、取扱説明書をご確認の上で設定してください。

5 電気料金プランを見直す

テレビのつかい方だけでなく、電気料金プランそのものの見直しも電気料金の節約に効果的です。各電力会社が提供しているプランにはさまざまな種類があり、ライフスタイルに合ったものを選択するだけでテレビの電気代が大きく減る可能性もゼロではありません。
電気を使う時間帯が夜なら、平日に比べて夜間や休日の電気料金を安く設定しているプランを選ぶなどの工夫をしましょう。

効果的な電気代の節約方法について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

電気代を節約するには?効果的な4つの方法を詳しく解説

近年値上げが続く電気代。節約を考える方に向けて、効率的な家電のつかい方や省エネ製品への買い替え、電力契約や生活スタイルの見直しなど、4つの節約方法を紹介します。

電気料金プランの見直しや、つかい方を考えてテレビの電気代を節約しよう

テレビの電気代は、性能や画面サイズなどによって変わってきます。もし、今よりもテレビの電気代を削減したいなら、求める機能と消費電力のバランスを考えて機種を選びましょう。
こまめに主電源を消す、画面を掃除するといった心掛けとともに、電気料金プランの見直しも電気代の削減には有効です。

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  • 2023年8月1日時点の情報です。
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