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換気扇の電気代は安い?つけっぱなしのメリットや節約ポイントも紹介
トイレや浴室、キッチンなど、住宅内のさまざまな場所に設置されている換気扇。においや湿気対策、換気のために、「できるだけ換気扇をつけっぱなしにしておきたい」と考える家庭も多いのではないでしょうか。
しかし、換気扇をつけっぱなしにしたときに気になるのが、電気代。換気扇をつけっぱなしにしていると、その分電気代は高くなってしまうのでしょうか。
実は、換気扇の電気代は安いので、24時間つけっぱなしでも心配するような金額にはならないことが多いのです。
本記事では、換気扇をつけっぱなしにした場合の電気代の目安を場所別にご紹介するほか、換気扇をつけっぱなしにするメリットや、換気扇の電気代を節約するポイントについて解説します。
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換気扇の電気代はつけっぱなしでも安い
換気扇の機種や設置場所によっても異なりますが、換気扇を動かすために必要な電力は、1時間あたり2~30W程度です。これを電気代に換算すると、24時間つけっぱなしにしていても、1日1.5~22円程度。ほかの電化製品に比べると、つけっぱなしでも電気代は安いといえます。
ただし、換気扇は、つかわれる場所によって機種が異なります。一般的に換気扇が設置されるトイレ、浴室、キッチンといった場所別に、電気代がいくらくらいになるのかを詳しく見てみましょう。
なお、電気代の計算にあたっては、1kWhあたりの電力量料金単価を、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価である31円(税込)とします。
トイレの換気扇の電気代
トイレの換気扇は小型のものが多く、消費電力は3W程度です。24時間で72W、30日では2.16kW(2,160W)となり、1か月(30日)つけっぱなしにした場合の電気代の目安は約67円になります。
一般的にトイレの換気扇には、天井や壁に埋め込んだパイプに取り付ける「パイプファン」か、天井裏にダクト配管して排気する「天井埋込形換気扇」がつかわれます。それぞれのタイプ別の電気代の例は、次のとおりです。
■トイレの換気扇タイプ別電気代の目安
運転モード | 消費電力 | 24時間の電気代 | 1か月(30日)の電気代 | |
---|---|---|---|---|
パイプファン | 強 | 1.9W | 1.4円 | 42.4円 |
弱 | 1.4W | 1.0円 | 31.2円 | |
天井埋込形換気扇 | 強 | 7.6W | 5.7円 | 169.6円 |
常時弱 | 2.3W | 1.7円 | 51.3円 |
出典:Panasonic「FY-08PFRY9VD」「FY-17J8V」
- 消費電力は、すべて50Hzの場合の値。
トイレに換気扇を設置する目的は、嫌なにおいや湿気を排出するためです。トイレは使用頻度が高い上、窓がなかったり、あっても小さかったりすることも多いため、室内に空気がこもりやすくなります。
「においをしっかり排出するために換気扇をつけっぱなしにしておきたい」という場合も、この電気代なら安心でしょう。なお、換気扇を回してもにおいが気になるときは、普段手が届かない場所を掃除するのもおすすめです。
浴室の換気扇の電気代
浴室の換気扇の消費電力は13~20W程度で、1か月(30日)つけっぱなしにしたときの電気代は約290~446円です。「24時間換気モード」を搭載している製品を選べば、さらに電気料金を抑えることができます。
浴室の換気扇には、「天井埋込形換気乾燥機」と「壁取付形換気乾燥機」の2タイプがあります。タイプ別に換気時の電気代を見てみましょう。
■浴室の換気扇タイプ別電気代の目安
運転モード | 消費電力 | 24時間の電気代 | 1か月(30日)の電気代 | |
---|---|---|---|---|
天井埋込形換気乾燥機 | 強 | 25.5W | 19.0円 | 569.2円 |
弱/24時間換気 | 19.5W | 14.5円 | 435.2円 | |
壁取付形換気乾燥機 | 換気 | 27W | 20.1円 | 602.6円 |
出典:Panasonic「FY-13UG7E」「FY-24UW5」
- 消費電力は、すべて50Hzの場合の値。
湿気がこもりやすい浴室は、換気扇の使用頻度も高くなる場所です。浴室における換気扇の役割は、主に結露やカビの発生を抑えることです。カビ対策としては、換気扇を活用するほかにも、入浴後は石鹸カスやシャンプーなどを洗い流した後にできるだけ水気を拭き取っておくとより効果的です。
キッチンの換気扇の電気代
キッチンの換気扇の消費電力は30W程度で、1か月(30日)つけっぱなしにした場合の電気代は約670円になります。
なお、最近では、常時換気モードを搭載した換気扇も登場しています。常時換気モードなら消費電力は5W前後なので、1か月の電気代は約112円になり、大幅な節約につながります。
キッチンの換気扇の種類は、主に、吸い込んだ空気をダクトから排出する「レンジフードタイプ(シロッコファン)」と、プロペラを回転させて直接屋外に排出する「プロペラタイプ(プロペラファン)」に大別されます。それぞれの電気代は、次のとおりです。
■キッチンの換気扇タイプ別電気代の目安
運転モード | 消費電力 | 24時間の電気代 | 1か月(30日)の電気代 | |
---|---|---|---|---|
レンジフードタイプ | 強 | 28.5W | 21.2円 | 636.15円 |
中 | 11.5W | 8.6円 | 256.7円 | |
弱 | 8W | 6.0円 | 178.6円 | |
常時 | 5W | 3.7円 | 111.6円 | |
プロペラタイプ | - | 20W | 14.9円 | 446.4円 |
出典:Panasonic「FY-60DWD4-S」「FY-25PH5」
- プロペラタイプの消費電力は、50Hzの場合の値。
キッチンの換気扇は、調理中に出る湿気や油分、においなどを排出するためになくてはならない存在です。つけっぱなしにしたい場合は、常時換気モードを備えた換気扇の導入を検討するのもいいでしょう。
また、キッチンの換気扇は汚れやすいので、定期的な清掃が必要です。換気扇が汚れたままつかっていると、無駄な電力がかかってしまうことがあるため注意が必要です。
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換気扇をつかうメリット
電気代が気になって、「トイレや浴室、キッチンをつかうときは換気扇を回すけれど、それ以外はスイッチを切っている」という人もいるかもしれません。しかし、前述したとおり、換気扇を24時間つけていても、それほど電気代はかかりません。さらに、換気扇をつけっぱなしにすることで、次のようなメリットがあります。
カビの発生、結露を防ぐ
室内に湿気が残っていると、カビや結露が発生しやすくなります。カビが生えると見た目が悪くなるだけではなく、壁や柱が傷んだりする上、胞子を吸い込むことで人体に悪影響をおよぼす可能性もあります。
一度、カビが生えてしまうと掃除するのは大変なので、普段からカビが発生しにくい環境を作っておくことが大切です。
換気扇を24時間つけっぱなしにしておけば、室内にこもった湿気も屋外に排出することができるため、カビや結露の抑制効果が期待できます。
特に、キッチンの大きな換気扇は、室内全体の湿気を追い出し、窓の結露やカーテンのカビ防止にも役立つでしょう。屋内の空気の流れをよくして、家の寿命を延ばすことにもつながります。
においを取り除く
換気扇には、湿気だけではなく、嫌なにおいを取り除く働きもあります。換気扇が設置されているトイレや浴室、キッチンは、においが気になりやすい場所です。
また、いくら掃除をしていても、家のなかには生活臭が存在します。そのまま放置していると布製品などにもにおいが染み付いてしまうかもしれません。換気扇をつけっぱなしにしていれば、室内の空気が常に循環することになり、嫌なにおいが定着するのを防げます。
きれいな空気を取り込む
空気の入れ替えは、ハウスダスト対策やシックハウス症候群の予防にも有効です。シックハウス症候群とは、建材や家具に含まれる化学物質などにより、室内の空気が汚染されることで起こる体調不良のこと。頭痛や吐き気、喉の乾燥、じんましんといった、さまざまな症状が現れます。
住宅の高気密・高断熱化が進み、換気不足になっていることもシックハウス症候群を起こす一因です。換気扇を24時間つけっぱなしにすることで、室内の空気と外気の新鮮な空気を入れ替えることができます。
換気扇と24時間換気システムの違い
最近では、24時間換気システムを備えた住宅も増えてきました。換気扇と24時間換気システムは混同されがちですが、仕組みや役割が違います。
24時間換気システムとは、住宅内の空気を常に換気する仕組みのことです。シックハウス症候群の原因物質から人体を守るために、2003年の建築基準法改正によってすべての住宅に設置が義務付けられました。窓を開けなくても室内の空気を外に排出し、外気を室内に取り込むことができます。「常時換気システム」とも呼ばれ、室内の空気をゆっくりと全体的に循環させていきます。
一方、換気扇は「局所換気」と呼ばれ、稼働させることによって短時間で周辺の空気を入れ替えるものです。そのため換気扇は、トイレや浴室、キッチンといった、湿気やにおいが多く発生しやすい場所に設置されます。
このように、換気扇と24時間換気システムは役割が異なる設備ですが、併用することで、より効果的に家中の換気を行うことができます。
特に、24時間換気システムの設置義務対象となるのは住宅のなかでも居室だけなので、トイレや浴室などは適用外となる場合があります。24時間換気システムを備えた住宅であっても、換気扇をつけっぱなしにしておくメリットは大きいといえるでしょう。
換気扇の電気代を節約するポイント
換気扇の消費電力はほかの電化製品に比べて少ないとはいえ、24時間つけていれば、それなりに電気代がかかります。換気扇の電気代を節約するには、次のようなポイントを意識してみてください。
窓やドアを閉める
換気扇をつかうときのポイントは、窓やドアを閉めて密室状態にしておくことです。換気扇をつける場所を閉め切っておけば、空気の通り道がひとつだけに絞られ、効果的に換気することができます。
反対に、窓やドアが開いていると、空気の逃げ道ができて換気の効率が悪くなり、消費電力も増えてしまいます。浴室をはじめ、トイレやキッチンなども閉め切った状態でつかうことが、換気扇の電気代節約のポイントです。
窓やドアを閉める
換気扇をつかうときのポイントは、窓やドアを閉めて密室状態にしておくことです。換気扇をつける場所を閉め切っておけば、空気の通り道がひとつだけに絞られ、効果的に換気することができます。
反対に、窓やドアが開いていると、空気の逃げ道ができて換気の効率が悪くなり、消費電力も増えてしまいます。浴室をはじめ、トイレやキッチンなども閉め切った状態でつかうことが、換気扇の電気代節約のポイントです。
エアコン併用時は設定を「弱」にする
エアコンと換気扇を併用すると空気の循環が促され、冷暖房の効率がアップします。ただし、このとき気をつけたいのが、換気扇の設定を「弱」にすることです。エアコンを使用しているときに換気扇を「強」設定でつけっぱなしにすると、屋外の空気を取り込んでエアコンの効きが悪くなってしまいます。
つまり、夏なら室内の冷気が排出されて温度の高い外気が取り込まれ、冬なら温めた空気が外に逃げて冷たい外気が入ってくるということです。こうなると、エアコンは室内を設定温度に保つために多くの電力を消費し、余計に電気代がかかってしまいます。
定期的に掃除をする
換気扇のフィルターやファンは、こまめな掃除を心掛けましょう。換気扇が油やほこりで汚れていると換気効率が悪くなり、余計な電力を消費することになってしまいます。
その上、汚れた換気扇では、湿気やにおいなども効果的に排出できません。特にキッチンの換気扇は、調理中の油などで汚れがつきやすくなります。取扱説明書などを確認し、機種ごとの推奨頻度で定期的に掃除をしてください。
古い換気扇を交換する
いくら定期的に掃除をしていても、古くなった換気扇は徐々に部品が劣化します。電化製品は新しい機種ほど性能が向上しているため、古い換気扇を交換することで換気効率がアップする可能性も高いでしょう。
換気扇の法定耐用年数は15年とされています。換気扇の設置から15年以上経過している場合は、買替えを検討するのがおすすめです。
電力会社やプランを見直す
電気の使用単価や基本料金は、電力会社や契約プランによって異なります。換気扇だけではなく月々の電気料金を節約したい場合は、電力会社やプランを見直してみるといいでしょう。ライフスタイルに合ったプランを選ぶことで、電気代を大幅に削減できる可能性もあります。
換気扇は、24時間つけっぱなしがおすすめ
換気扇は消費電力が少ないため、ずっとつけっぱなしにしていても電気代はそれほどかかりません。それよりも、においや湿気対策、カビや結露の防止など、換気扇をつけっぱなしにする大きなメリットがあります。もしも電気代が気になる場合は、定期的な清掃をはじめ、換気扇のつかい方を見直すほか、省エネ性能に優れた換気扇を選ぶことも電気代の節約につながります。
また、電力会社との契約内容を見直し、別のプランや電力会社に切り替えることで、今よりも電気代が安くなる可能性もあります。電気代をシミュレーションしながら、比較検討してみてください。そして、快適な暮らしのために、節約ポイントを押さえつつ、換気扇を上手に活用していきましょう。
電気代の節約について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
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