冷蔵庫の年間の電気代・消費電力はどれくらい?計算方法や節約のコツ

SHARE

日々の暮らしを支える電化製品の中でも、欠かせないもののひとつが冷蔵庫です。冷蔵庫はほかの電化製品のように電源を入れたり消したりすることがなく、24時間365日休みなく稼働しています。そのため、電気代を改めて計算してみると、意外と多くかかっているかもしれません。

2018年の経済産業省資源エネルギー庁の調査によれば、家庭における機器別エネルギー消費量の内訳のうち、冷蔵庫が占める割合は夏季で17.8%、冬季で14.9%と上位になっています。

「冷蔵庫は常に電源を入れておく必要があるため、節電は難しいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。ポイントを押さえれば、冷蔵庫の電気代を節約することは可能です。本記事では、冷蔵庫の電気代の計算方法と、電気代の節約ポイントについて解説します。

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

目次

冷蔵庫の電気代を把握しよう

常日頃使用している冷蔵庫でも、電気代がいくらかかっているかを意識することは少ないかもしれません。計算方法を知っていれば、冷蔵庫にかかる電気代を簡単に計算することができます。
まずは、現在つかっている冷蔵庫にどれくらい電気代がかかっているのか見ていきましょう。

冷蔵庫にかかる電気代の計算方法

冷蔵庫にかかる年間の電気代の目安は、次の計算式で計算することができます。

<冷蔵庫にかかる年間の電気代の計算式>
冷蔵庫の年間電気代=冷蔵庫の年間消費電力量×1kWhあたりの電力量料金単価

「冷蔵庫の年間消費電力量」は、冷蔵庫の取扱説明書やメーカーのWebサイトの商品紹介ページに記載されています。
また、「1kWhあたりの電力量料金単価」については、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が、1kWhあたりの目安単価を31円(税込)と定めています(2023年6月現在)。ただし、実際の料金は、契約している電力会社や電気料金プラン、地域によって異なるため、電力会社から届く検針票などで確認しましょう。

冷蔵庫のタイプ別・電気代の目安

冷蔵庫の説明書などに記載されている年間消費電力量は、冷蔵庫の機種やサイズによって異なります。ここでは、三菱電機の冷蔵庫を例に挙げて、タイプ別に年間電気代の目安をご紹介します。

■冷蔵庫のタイプ別電気代の目安

タイプ 容量(機種) 年間消費電力量 年間電気代の目安 1か月あたりの電気代の目安
1人暮らし向け 168L
(MR-P17H)
308kWh 9,548円 795.7円
2人暮らし向け 330L
(MR-CG33H)
322kWh 9,982円 831.8円
3~4人家族向け 451L
(MR-MB45J)
251kWh 7,781円 648.4円
5人以上の家族向け 608L
(MR-WZ61J)
273kWh 8,463円 705.3円
  • 消費電力は、「三菱電機」サイト内で公表されている数値を参照しています。
  • 1kWhあたりの電力量料金単価は31円/kWhとして計算。小数点第2位四捨五入。

計算の結果から、冷蔵庫の年間電気代は8,000~9,000円程度、1か月あたりに換算すると700~800円程度が目安になることがわかります。

また、容量の小さい冷蔵庫よりも大容量のほうが電気代は少なくなるという結果を見て、意外に感じる人も多いかもしれません。冷蔵庫の容量と電気代の関係については、後ほど詳しく解説します。

進化し続ける冷蔵庫の省エネ機能

電化製品の性能は常に進化しており、機種が新しいほど省エネ性能が優れています。古い冷蔵庫をつかい続けている場合は、新しい機種に買替えるだけで、月々の電気代が安くなる可能性が高いといえます。
冷蔵庫に備わっている主な省エネ機能には、次のようなものがあります。

インバータ制御機能

インバータとは、電圧や周波数を変換する装置のことです。従来、冷蔵庫のインバータは「動かす」または「停止する」のどちらかでした。そのため、動かす場合はフルパワーになり、電力を無駄に消費してしまうことがありました。

しかし近年では、多くの冷蔵庫に、インバータを自動で細かく制御する「インバータ制御機能」が搭載されています。これにより、従来は一定だったコンプレッサー(圧縮機)やモーターなどの回転数を変化させ、効率のよい運転が可能になりました。

扉の開閉や庫内・周辺の温度に適したモーターの回転数に制御し、きめ細かい運転ができるため、無駄な電力をつかわず大きな省エネ効果につながります。

自動節電機能

自動節電機能は、扉の開閉が少ないときや、庫内の温度が一定に保たれているときに、消費電力を抑えて運転する機能のこと。この機能によって、外出時や就寝時など扉の開閉をしないときには、自動的に省エネ運転に切り替わります。

また、ほかの節電機能として、扉を開けてしばらくすると庫内の照明が減光したり、ドアアラームが鳴って扉の開閉を手早く行うことを促したりする冷蔵庫もあります。

断熱材

庫内の冷気が逃げたり外部から熱が侵入したりするのを防ぐために使用しているのが、断熱材です。この断熱材の性能も、年々向上しています。

近年では、ノンフロン発泡断熱材やノンフロン真空断熱材などの高性能断熱材を用いることで、冷気が逃げにくくなり、コンプレッサーを動かす頻度も減って、省エネにつながっています。

LED照明

近年では、庫内灯にLED照明を使用している冷蔵庫も増えてきています。消費電力の少ないLED照明なら、さらなる省エネ効果が期待できるでしょう。

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

冷蔵庫の買替え目安

冷蔵庫は高価な電化製品であり、そう頻繁に買替えるものではありません。しかし、前述したように、古い冷蔵庫をいつまでもつかっているよりは、新しいものに買替えたほうが電気代の削減につながる可能性は高くなります。では、冷蔵庫の買替えは、何年くらいを目安にすればいいのでしょうか。

一般的に寿命は10年程度

冷蔵庫の寿命は、つかい方や設置環境などによって違いはあるものの、一般的には10年程度だといわれています。これは、冷蔵庫のコンプレッサーの寿命の目安が約10年といわれているためです。

また、冷蔵庫をはじめとする電化製品には、故障の際に修理ができるように、メーカーが補修用の部品を保有する期間が決まっています。冷蔵庫の場合、各メーカーの補修部品の保有期間は、その製品の製造を打ち切ってから9年間です。そのため、製造終了から9年を経過した冷蔵庫は、故障しても基本的には同じ部品での修理はできません。このことからも、購入から10年が経った頃が、新しい冷蔵庫への買替えを検討する時期だといえるでしょう。

冷蔵庫の寿命が近づくと、「冷却機能が低下する」「製氷機で氷ができない、または氷が塊のようになる」「異常な音がする」といった不具合が生じることがあります。このような不具合を放置すると、冷蔵庫のなかがうまく冷えないばかりか、コンプレッサーが出力を上げようとして、無駄な電力がかかることになりかねません。

一見何の不具合もないようでも、10年以上経過した冷蔵庫は、部品の劣化によって突然故障する可能性もあります。「問題なくつかえているから」と油断せず、買替えの準備を進めておくと安心です。

買替えの際は統一省エネラベルを参考に

冷蔵庫を買替える際、製品選びの参考になるのが「統一省エネラベル」です。統一省エネラベルとは、冷蔵庫などの電化製品に対して、製品ごとに設定された省エネ基準達成率や年間の電気料金の目安、同種の製品における多段階評価などが表示されたものです。

多段階評価では、省エネ性能を5.0~1.0まで0.1刻みの41段階で表し、5つ星で表示しています。星の数が多いほど省エネ性能が高いことを示すため、同じくラベルに記載されている年間電気料金の目安と併せて確認しておくといいでしょう。
統一省エネラベルは、製品の本体や包装、カタログなどに貼られています。

大型の冷蔵庫のほうが電気代は安くなるって本当?

大型の冷蔵庫は容積が大きいため、その分電気代もかかると考える人も多いのではないでしょうか。しかし実際には、冷蔵庫の年間消費電力は、必ずしも容積に比例して大きくなるとは限りません。

前述の計算では、冷蔵庫の容量タイプごとの年間電気代の目安は、1~2人暮らし用の小さい冷蔵庫よりも、3~5人家族に多く選ばれるような大容量タイプのほうが安いという結果になりました。
「省エネ性能カタログ(2022年版)」を見ても、301~350Lの冷蔵庫の年間消費電力量が347kWhであるのに対し、501L以上は286kWh(いずれも2021年の数値)と、大型の冷蔵庫のほうが消費電力は少なくなっています。電気代に換算すれば、1年間で約1,891円の差が出ることになります。

これは、大型の冷蔵庫は小さい冷蔵庫に比べて高性能なものが多く、省エネ機能も高いと考えられるためです。古い小型の冷蔵庫に多くの食材を詰め込んで使用している場合は、最新の大型冷蔵庫に買替えることによって、年間の電気代を節約できる可能性があります。

冷蔵庫の電気代を節約するポイント

冷蔵庫の電気代を節約するポイント・壁から離して設置する・冷蔵室に食品を詰め込みすぎない・扉の開閉回数と時間を最小限にする・適切な設定温度にする

冷蔵庫の電気代は、設置方法やつかい方などによっても変わります。電気代を節約するには、次のようなポイントを意識するといいでしょう。
なお、下記に記載したそれぞれの電気使用量および電気代については、経済産業省資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2022年度」より情報を抜粋し、1kWhあたりの電力量料金単価は31円/kWhとして再計算しています。

壁から離して設置する

冷蔵庫は庫内を冷やすために、熱を外に放出しています。冷蔵庫を設置するときに、両側と上部に隙間がない状態にしてしまうと、効率よく放熱ができません。その分、庫内が冷えにくくなり、余計に電気代がかかってしまいます。

冷蔵庫の両側と上部が壁に接している場合と、片側だけが壁に接している場合を比較すると、年間で45.08kWh、電気代にして約1,397円の差額が生じるといわれています。
冷蔵庫を設置するとき、つい壁にぴったりつけてしまうことがありますが、節電のためには壁から離して放熱スペースを確保することが大切です。
また、冷蔵庫の上部も放熱スペースであることがほとんどなので、冷蔵庫の上に直接ものを置くのも避けたほうがいいでしょう。推奨される放熱スペースは機種によって異なるため、取扱説明書などを確認してください。

同様に、冷蔵庫を設置するときは、置き場所にも注意が必要です。直射日光のあたる場所や、ガスコンロなどの熱源の近くに冷蔵庫を設置するのは避けるのがおすすめ。周囲の温度が高い場所で冷蔵庫をつかうと冷却効率が悪くなり、消費電力がアップしてしまう可能性があります。

冷蔵室に食品を詰め込みすぎない

冷蔵室のなかに食品を詰め込みすぎると、庫内の冷気が循環しにくくなるため、余計に電力を消費してしまいます。さらに、冷蔵室に食品などがいっぱいに詰まっていると、目当てのものを探し出すのに時間がかかり、扉を長く開けることになりがちです。そうすると庫内の冷気が逃げ、さらに電力を消費することになります。
冷蔵室にものをパンパンに詰め込んだ状態から半分に減らすと、年間で43.84kWhの省エネとなり、約1,359円の電気代節約につながるとされています。

冷蔵室のなかは、食品を入れても奥の壁が見える状態が理想的です。「いつも冷蔵庫に食品がいっぱいに詰まっている」場合は、買い替えの際に余裕のあるサイズを検討するのもいいかもしれません。

ただし、冷凍室の場合は、冷蔵室とは反対に、隙間なくぎっしり詰めたほうが節電につながります。冷凍室は外気との温度差が大きいため、扉を開けたときの温度上昇が冷却効率を左右しがちです。このとき、中身が隙間なく詰まっていれば、凍った食品同士が保冷剤の働きをしてお互いを冷やし、庫内の温度上昇を抑えることができます。

扉の開閉回数と時間を最小限にする

扉の開閉頻度が多かったり、開けている時間が長かったりするほど、冷気が逃げて無駄な電力消費につながりかねません。たとえば、扉を開けている時間が20秒と10秒では、年間で6.10kWh、電気代で約189円の差が生じます。

また、旧JIS開閉試験(冷蔵庫は12分ごとに25回、冷凍庫は40分ごとに8回、いずれも10秒間開ける)を行った場合と、その2倍の回数を行った場合を比べると、年間10.40kWh、電気代約322円の差になります。

冷蔵庫は日常的に扉を開け閉めするものなので、何年も積み重なるうちに金額の差も大きくなっていきます。「冷蔵庫のなかを整理整頓する」「何を取り出すかを決めてから扉を開ける」「頻繁に出し入れする食品は手前の位置に置く」など、少ない開閉で素早く取り出せるような工夫をするといいでしょう。

適切な設定温度にする

多くの冷蔵庫は、「強」「中」「弱」の温度設定が可能です。そして、消費電力は「強」よりも「中」、「中」よりも「弱」のほうが小さくなります。
たとえば、周囲の温度が22℃で設定温度を「強」から「中」にすると、年間で61.72kWhの省エネになり、電気代約1,913円の節約につながります。

ただし、節電を優先するあまりに無闇に庫内温度を上げると、なかの食品が傷んでしまう可能性があります。気温や湿度の高い夏場は「強」、室内の空気が冷えている冬場は「中」にするなど、季節や気温に合わせて調節するのがおすすめです。

冷蔵庫の電気代を把握して上手な節約につなげよう

24時間365日稼働している冷蔵庫は、家庭のなかでも消費電力の多い電化製品です。それだけに、冷蔵庫の消費電力を抑えることができれば、効果的な電気代の節約につながるといえます。日々のつかい方を少し工夫して、賢く冷蔵庫の消費電力を抑えましょう。

また、普段、冷蔵庫の電気代を意識することは少ないかもしれませんが、改めて計算してみると節電への意識も高まるかもしれません。これを機に、電力会社との契約内容を見直すこともおすすめ。別のプランや電力会社に切り替えることで、今よりも電気代が安くなる可能性もあります。電気代をシミュレーションしながら比較検討してみてください。

電気代の節約について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

電気代を節約するには?効果的な4つの方法を詳しく解説

近年値上げが続く電気代。節約を考える方に向けて、効率的な家電のつかい方や省エネ製品への買い替え、電力契約や生活スタイルの見直しなど、4つの節約方法を紹介します。

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから
  • 2023年6月1日時点の情報です。
SHARE