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【世帯・季節別】電気代の平均はいくら?節約できる5つのポイント
毎日の暮らしを支える電気にお金がかかるのは当然とはいえ、支出はできるだけ抑えたいのが本音ですよね。
電気代は家族構成や季節によっても変わるため、世帯別・季節別の平均値と比較すると、自宅の電気代が高いか低いかを判断することができます。平均より高い場合には、有効な対策を実行することで、電気代を引き下げられる可能性が高いでしょう。
本記事では、世帯別・季節別などの電気代の平均値と、節約のポイントをご紹介します。
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まずは電気代の仕組みを知ろう
- 電力会社によって計算方法が異なる場合があります。
電気代は、月ごとに請求が発生します。
毎月の請求書を見て、「今月は高い」と焦ったり、「今月は安い」とホッとしたりしますが、実はその請求額の根拠まではわかっていないケースが少なくありません。電気代が高い理由を知り、少しでもコストを削減するには、電気代の内訳と算出の仕組みを知っておく必要があります。
まずは、電気代の内訳から確認していきましょう。
普段「電気代」と呼んでいる料金は、「基本料金」「電力量料金」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」の3つを合計した金額です。毎月配布される検針票(「電気使用量のお知らせ」など)に、請求予定金額とともに料金の内訳として記載されています。
まずは、それぞれの項目の料金の算出方法と、料金の性質を見ていきましょう。
基本料金
基本料金は、電力の消費量にかかわらず、契約したアンペア数によって毎月一定額がかかります。契約アンペア数が大きいほど使える電気量が増えますが、それに伴い基本料金も高くなるため、使用する電力量に応じて契約するアンペア数を調整することが大切です。
契約するアンペア数の目安は、1人または2人世帯で30A、3人世帯で40A、4人世帯や消費電力が多い世帯で50Aとされています。
電力量料金
電力量料金とは、使用した電力の量に応じて毎月かかる料金のことです。電気をたくさんつかえば高くなり、あまりつかわなければ安くなります。電力料金は「1kWhあたり」の単価が設定されており、「1kWhあたりの単価×使用電力量(kWh)」の計算式で算出します。
毎月使った電力の量に応じて、支払額が変動するのが電力量料金です。電力量料金は、下記の計算式で求められます。
<電力量料金の計算式>
電力量料金=電力量料金単価×1か月の使用電力量+燃料費調整単価×1か月の使用電力量
- 電力量料金単価
電力量料金単価は使用したエネルギー量に比例しますから、あまり電気を使用しなければ、コストカットすることができます。
電力会社によっては、1kWhごとに定められる電力量料金の単価を3段階に設定する「三段階料金」の仕組みを導入している場合もあるため、基本料金と同じく自分に合った料金体系を選択するようにしましょう。三段階料金は、第1段階(1~120kWh)、第2段階(121~300KWh)、第3段階(300kWh超過分)に分けられ、段階が上がるほど使用電力量が多くなり、電力量料金も高くなる仕組みです。 - 燃料費調整単価
燃料費調整単価は、原油、LNG(天然ガス)、石炭といった燃料の仕入れ価格によって決まります。燃料の仕入れにかかるコストは月ごとに変動するため、過去3か月間の燃料価格の平均額をもとに、燃料費調整額に反映して算出する必要があるのです。
- 燃料費調整額
燃料費調整制度にもとづく燃料価格の変動に応じて、自動的に電気料金を調整するための費用が燃料費調整額です。
海外からの原油や石炭などの貿易価格が高騰すると燃料調整額がプラスになり、それに伴って電気代も値上がりします。反対に、安ければ燃料調整額が差し引かれ、電気代も値下がりします。このことから、燃料調整単価を個人で減額するのは難しいといえます。
- 電力会社によって計算方法が異なる場合があります。
燃料調整額について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
電気代の燃料費調整額とは?高騰の理由と節電方法も詳しく解説
電気代を左右する「燃料費調整額」は上限や計算方法が電力会社によって違うものの、高騰しています。そのため電気代が高いと感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、燃料費調整額や節電方法についてわかりやすく解説します。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)は、電気の使用者全員が電気料金の一部を負担する仕組みです。これは、再生可能エネルギーによる発電を推進するため、国が指定する「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」で発電した電気は電力会社が固定価格で買い取る「FIT(固定価格買取制度)」によるもの。国民の負担額は、電気の使用量に応じて増加します。
また、再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は、買取価格などを参考に年間の導入予測を立て、年度ごとに経済産業大臣が決定します。そのため、再生可能エネルギー発電促進賦課金についても、使用料以外に個人の努力でカットするのはなかなか困難です。
再生可能エネルギー発電促進賦課金を算出する式は、下記のとおりです。
<再生可能エネルギー発電促進賦課金の計算式>
再生可能エネルギー発電促進賦課金=再生可能エネルギー発電促進賦課金単価×1か月の使用電力量
なお、1か月の使用電力量は、自宅の電気メーターがカウントする数値をもとに、消費電力(W)×使用時間(h)で算出されます。
<1か月に使用した電気代の計算式>
毎月の電気代=基本料金+電力消費量×1kWhあたりの電気代
検針票の請求予定金額の上に「ご使用量 ◯◯◯◯kWh」などと記載されているのが、電気メーターがカウントした使用電力量です。コスト削減のため、平均値と見比べる際の指標にもなりますので、必ず確認しましょう。
検針票の配布方法は電力会社によって異なり、紙で配布される場合と、Webで確認する場合があります。
ほかの家庭はどのぐらい?電気代の平均額
ほかの世帯や、季節別の状況と比較検討することで、自宅の電気代が高いか、低いかを知ることができます。比較した数値をもとに、自宅の電気代を節約すべきか否か、また、どれくらい節約すべきかを把握しましょう。
世帯別の電気代の平均額
総務省統計局の家計調査によると、世帯別の電気代平均額は下記です。
■世帯別の電気代平均月額
世帯数 | 平均月額 |
---|---|
1人暮らし | 6,425円 |
2人世帯 | 11,108円 |
3人世帯 | 12,940円 |
4人世帯 | 13,664円 |
5人世帯 | 15,207円 |
6人以上世帯 | 17,727円 |
世帯数 | 平均月額 |
---|---|
1人暮らし | 6,425円 |
2人世帯 | 11,108円 |
3人世帯 | 12,940円 |
4人世帯 | 13,664円 |
5人世帯 | 15,207円 |
6人以上世帯 | 17,727円 |
出典:総務省統計局「家計調査」(2022年11月)
基本的には、世帯人数が増えるのに比例して電気代も高くなっていくことがわかります。特に、1人世帯と2人世帯では倍近くもの差があります。
なぜ、家族の人数が増えると、電気代が高くなるのでしょうか。世帯の人数が増える背景には、結婚や出産、親との同居、テレワークへの移行など、生活スタイルの変化があります。こうした変化に伴って、これまでより広い住宅に引っ越して契約アンペア数が上がったり、使用する電化製品が増えたりすると、電気代はこれまでより高くなるはずです。
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季節別の電気代平均
総務省統計局の家計調査によると、季節別の電気代平均は下記のとおりです。
■季節別の電気代平均額月額
春(4~6月) | 夏(7~9月) | 秋(10~12月) | 冬(1~3月) | |
---|---|---|---|---|
1人暮らし | 6,333円 | 6,418円 | 5,200円 | 7,749円 |
2人世帯 | 10,657円 | 10,446円 | 8,470円 | 13,216円 |
3人世帯 | 12,599円 | 12,062円 | 9,838円 | 15,320円 |
4人世帯 | 12,713円 | 12,922円 | 10,785円 | 16,286円 |
5人世帯 | 14,529円 | 14,038円 | 11,748円 | 18,467円 |
6人以上世帯 | 16,764円 | 15,874円 | 14,069円 | 21,186円 |
春(4~6月) | 夏(7~9月) | 秋(10~12月) | 冬(1~3月) | |
---|---|---|---|---|
1人暮らし | 6,333円 | 6,418円 | 5,200円 | 7,749円 |
2人世帯 | 10,657円 | 10,446円 | 8,470円 | 13,216円 |
3人世帯 | 12,599円 | 12,062円 | 9,838円 | 15,320円 |
4人世帯 | 12,713円 | 12,922円 | 10,785円 | 16,286円 |
5人世帯 | 14,529円 | 14,038円 | 11,748円 | 18,467円 |
6人以上世帯 | 16,764円 | 15,874円 | 14,069円 | 21,186円 |
出典:総務省統計局「家計調査」(2022年11月)
季節の電気代を比べると、圧倒的に冬(1月~3月)に高いことがわかります。冬だけでなく夏も、エアコンや扇風機、ヒーターなどの電化製品で室内温度の調整を行いますが、冬のほうが室内外の気温差が大きいため、設定温度どおりの室温にするために使用するエネルギー量が多くなるためです。
全体として、過ごしやすい秋の電気代が最も安く抑えられています。一方、同様に過ごしやすいと思われる春の電気代は、夏の料金に肉薄しています。これは、梅雨時期にエアコンの除湿運転をしたり、花粉や梅雨で洗濯ものを衣類乾燥機で乾かしたりする機会が増えることなどが影響していると考えられます。
地域別の電気代平均
2022年の地域別における電気代平均は、下記のとおりです。
■地域別の電気代平均月額
地方 | 電気代 |
---|---|
北海道 | 13,084円 |
東北 | 13,835円 |
関東 | 12,262円 |
北陸 | 15,517円 |
東海 | 12,439円 |
近畿 | 12,221円 |
中国 | 14,743円 |
四国 | 13,450円 |
九州 | 11,894円 |
沖縄 | 11,616円 |
地方 | 電気代 |
---|---|
北海道 | 13,084円 |
東北 | 13,835円 |
関東 | 12,262円 |
北陸 | 15,517円 |
東海 | 12,439円 |
近畿 | 12,221円 |
中国 | 14,743円 |
四国 | 13,450円 |
九州 | 11,894円 |
沖縄 | 11,616円 |
出典:総務省統計局「家計調査」(2022年11月)
電気代は北陸が最も高く、ばらつきはあるものの、全体的に北の地方が高い傾向にあります。寒さが厳しい地域は暖房器具の使用頻度が高く、暖房の設定温度も高いことが電気代に反映されていると推測できます。
オール電化住宅の世帯別の電気代平均
関西電力「オール電化住宅の光熱費はいくらくらい?」より、オール電化住宅の世帯人数別の電気代平均を見ていきましょう。
■オール電化住宅の世帯人数別 電気の平均使用量
世帯人数 | オール電化 |
---|---|
1人 | 11,415円 |
2人 | 14,303円 |
3人 | 15,873円 |
4人以上 | 17,738円 |
世帯人数 | オール電化 |
---|---|
1人 | 11,415円 |
2人 | 14,303円 |
3人 | 15,873円 |
4人以上 | 17,738円 |
- 関西電力のオール電化メニュー「はぴeみる電」会員データ(2020年~2021年の年間使用量の平均値)より算出した平均使用量をもとに、「はぴeタイムR」の料金単価を適用して算出。燃料費調整額は含みません。
こちらの表を見ると、オール電化の場合、1人から2人に世帯構成人数が増える際に、使用量が大きく上がります。また、世帯構成人数が5人になると、かなり電気代を消費することがわかりました。一方、2人世帯から4人世帯までの使用量には、ほぼ変わりがありません。
オール電化住宅にすると電気代が高くなると思いがちですが、ガス代がかからないことを考えると世帯人数が多い家庭ではそれほど電気代が上がるわけではありません。家庭内で火を使わないため、ガス漏れや家事になる心配がないというメリットもあります。
電気代が平均より高い場合にチェックしたいポイント
自宅の電気代を分析した結果、平均より高いことがわかったら、電気のつかい方を見直す余地があるかもしれません。具体的なポイントを6つ紹介します。
1 電気の契約プランは最適か
電気料金プランは、電力会社によってさまざまです。使用する電力量に合った料金プランを選ぶことで、電気料金を引き下げることができます。
たとえば、電気使用量が数ない一人暮らしと、朝と夜の電気使用量が特に多いファミリー層では、適したプランは異なります。家族の形態や生活の仕方によって使用する電力量は変わるため、自分の暮らしに合わせて柔軟に電気料金プランを見直し、変更するようにしましょう。
2 電気を無駄につかっていないか
電化製品は、電源をオフにしてつかっていなくても、コンセントに電源プラグを差していれば待機電力が発生します。電源を入れたままにしている電化製品が多いときは、つかい方を見直してみてください。
併せて、つい稼働させたままになるこたつやストーブ、扇風機といった季節の電化製品は、小まめなオフを心掛けてください。
普段使用する家電の数が多ければ電力消費量は上がり、電気代に反映されます。
暮らしの快適性と電気代のバランスを考え、本当に必要な電化製品を見極めて購入するようにしましょう。
「なくてもいいな」と思う家電製品を整理すると、電気代も下がる可能性があります。
3 家の断熱効果を高める工夫を行っているか
省エネ基準に則って建てられた住宅は断熱性が高く、冷暖房電力消費量を大幅に削減できますが、断熱レベルの低い住宅では、断熱効果を高める工夫が必要です。
夏場なら、窓の外にのれんや日よけ用のシェードで直射日光をブロックしたり、冬のあいだは、隙間風が入りやすい窓やドアから冷たい空気を入れないようにしたりと、温かい空気を逃さないことを心掛けてください。
4 ライフスタイルが変化していないか
新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワークをする人が増えました。
在宅時間が長くなると、自宅の中を快適に保つためにエアコンや加湿器をつかう頻度が増え、照明を灯す時間も長くなって、電気代が高くなります。
家族の形態やライフスタイルが変化したら、同時に今までつかっていた電気料金プランを見直し、最適なプランにカスタマイズしましょう。
5 家族がそれぞれバラバラに生活していないか
家族がそれぞれに自分の部屋を持ち、そこで過ごす時間が長いことも、部屋ごとで照明や暖房・冷房がつかわれる時間が長くなり、電気代が上昇する原因に。
家族みんなが一堂に会しても快適に過ごせるようリビングを整えたり、声を掛け合ってできるだけ同じ時間に食事を済ませたりして、電化製品をつかう時間をなるべくまとめましょう。
6 漏電の可能性はないか
電気が本来通るべきルートを外れて流れる「漏電」が起きると、回路の外に電気が流れ続けることで電気代が高くなります。
もし、おかしいと思ったら、すぐに電力会社に相談しましょう。
電気が高い場合にチェックしたいポイントについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
電気代が高いのはなぜ?電気代の平均値や下げる方法も紹介
電気代はどのように算出されているのでしょうか。電気代の仕組みや平均値のほか、高くなっている原因を解説します。電気代を下げる方法も紹介しますので、ぜひお試しください。
自宅の電気代の現状を知って、適切な対策を実行しよう
電気代を含めた水道光熱費は、毎月必ず発生するコストです。できるだけ節約したほうがいいと思ってはいても、必要性を強く感じなければ、なかなか実行に移せないのではないでしょうか。
電気代の節約に取り組む場合、まずは自分と似た家庭の電気代の平均額を知って比較し、現状が平均より高いのか、低いのかを把握することが大切です。もし平均より高ければ、どこかに無駄が発生している可能性があります。適切な対策を実行することが、電気代の負担を軽減することにつながります。
電気代削減の工夫には、日常生活のちょっとした意識や行動の変化で効果がでやすいものが少なくありません。
ライフスタイルに合ったプランを提供している電力会社への乗り換えも含めて検討し、有効な対策の実行につなげましょう。
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