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プロジェクターの電気代は高い?消費電力やテレビとの違いを解説

プロジェクターはビジネスシーンや学校で使用される機器ですが、近年は高性能かつ安価な製品が多く登場したこともあり、テレビとしてつかう一般家庭も増えています。プロジェクターを一般家庭でつかう場合、電気代はどれくらいになるのでしょうか。
本記事では、プロジェクターの特徴や種類、テレビとの電気代の比較、テレビの代わりにつかった場合のメリットとデメリット、プロジェクターの電気代を節約するポイントについて解説します。
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プロジェクターとは壁やスクリーンに映像や画像を投影する機器
プロジェクターとは、壁やスクリーンに映像や画像を投影する機器です。パソコンやBlu-rayプレーヤーなどの再生機器のほか、映像作品のストリーミング端末やゲーム機を接続することで、映像や画像を投影できます。
近年は一般家庭向けのコンパクトなプロジェクターも登場しており、ホームシアターで映画やスポーツ観戦、ゲームなども楽しめるようになりました。高解像度化も進んでおり、4Kやフルハイビジョンに対応したモデルも販売されています。
プロジェクターの機能

プロジェクターの機能は、主に解像度と投影方法で分類することが可能です。それぞれ詳しく解説しますので、参考にしてください。
解像度
解像度とは、画像を構成する画素(ピクセル)の密度のことです。解像度が高いほど画像がきめ細かく、鮮明になります。逆に、解像度が低いと画像がぼやけたり、文字がつぶれて見えたりすることがあるため、購入する際は注意が必要です。
プロジェクターは、解像度によって主に次の3タイプにわけられます。なお、プロジェクターの電気代は、解像度が大きくなるほど高くなる傾向があります。
・フルHD
フルHDとは解像度が1920×1080(約207万画素)ある規格のことです。フルHDのプロジェクターは、「映像の美しさを楽しみたい」「文字・字幕をきちんと見たい」といった場合に適しています。
・WXGA
WXGAは解像度が1280×800(約102万画素)となっており、横長のワイド画面になることが特徴です。資料の投影に向いているため、ビジネスではWXGAのプロジェクターがよく利用されています。
・4K
4Kは解像度が3840×2160(約830万画素)と高く、フルHDの約4倍となっています。4Kのプロジェクターを使用すれば、100インチの大画面で投影しても鮮明さを維持できるため、高い没入感を味わうことが可能です。
投影方法
プロジェクターの投影方法は、映像のなめらかさや色彩の表現レベルを左右します。主に、次の3方式にわけられます。なお、解像度と同様、投影方法も高性能になるほど消費電力が大きくなり、「DLP方式」「LCD方式、3LCD方式」「LCOS方式」の順で電気代が高くなる傾向があります。
・DLP方式
DLP方式は、小さなミラーで光を反射させて映像を投影する方式のことです。細部まで再現したなめらかでコントラストのはっきりした映像を投影でき、ちり、ほこりの影響を受けにくい点も特徴です。近年はスマートフォンサイズのコンパクトなプロジェクターにも採用されています。
・LCD方式、3LCD方式(液晶方式)
LCD方式、3LCD方式(液晶方式)は、3枚の液晶ディスプレイで映像を精緻に映し出す方式で、日本の家庭用プロジェクターで多く採用されています。色を忠実に再現できる上、機器自体の価格もほかの方式のプロジェクターよりも安いことなどが特徴です。
・LCOS方式
LCOS方式は、反射型液晶パネルを使って映像を投影する方式のことで、LCD方式のプロジェクターよりも高解像度化に適した投影方法です。そのため、医療用や業務用プロジェクターに多く採用されています。高性能かつ高画質である反面、価格帯は高めで本体のサイズも大きくなりやすい点がデメリットです。
プロジェクターの種類別の電気代
ここでは、プロジェクターの電気代を種類別にご紹介します。電気代は、各プロジェクターの消費電力にもとづいて下記の計算式で算出しました。
- 1kWhあたりの電気料金の目安単価は、公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が制定している2024年4月時点の電気料金の目安単価31円/kWh(税込)で計算しています。
<プロジェクターの電気代の計算式>
1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(31円/kWh)
1時間あたり、1日(2時間)あたり、1か月あたりの3パターンでご紹介します。
解像度4K・3LCD方式のプロジェクターの電気代
解像度4K・3LCD方式のプロジェクターの電気代について、EPSONのホームプロジェクター「EH-TW6250」を例にご紹介します。
EH-TW6250の消費電力は316Wであるため、上記の計算式にあてはめると1時間の電気代は約9.8円です。これをもとに、解像度4K・3LCD方式のプロジェクターの1時間あたり・1日あたり・1か月あたりの電気代を算出すると以下のとおりです。
■解像度4K・3LCD方式のプロジェクター(消費電力316W)の電気代
使用時間 | 電気代 |
---|---|
1時間あたり | 約9.8円 |
1日(2時間)あたり | 約19.6円 |
1か月あたり | 約588円 |
- 参考:セイコーエプソン株式会社「ホームプロジェクター EH-TW6250」
解像度4K・3LCD方式のプロジェクターを1日2時間で毎日使用した場合、1か月で600円ほどかかることがわかります。解像度が4Kと高く、映像も鮮明に美しく見えますが、消費電力は大きく電気代も高くなるのです。
解像度WXGA・DLP方式のプロジェクターの電気代
解像度WXGA・DLP方式のプロジェクターの電気代は、BENQのホームプロジェクター「MW550」を例にご紹介します。
MW550の消費電力は280Wです。計算式にあてはめると、1時間の電気代は約8.7円となります。解像度WXGA・DLP方式のプロジェクターの1時間あたり・1日あたり・1か月あたりの電気代は以下のとおりです。
■解像度WXGA・DLP方式のプロジェクター(消費電力280W)の電気代
稼働時間 | 電気代 |
---|---|
1時間あたり | 約8.7円 |
1日(2時間)あたり | 約17.4円 |
1か月あたり | 約522円 |
- 参考:ベンキュー ジャパン株式会社「MW550」
解像度WXGA・DLP方式のプロジェクターは、解像度4K・3LCD方式と比べて電気代が抑えられることがわかります。ただしWXGAは4Kと比較して解像度が下がる点に留意すべきといえるでしょう。
解像度4K・DLP方式のプロジェクターの電気代
解像度4K・DLP方式は、Optomaのホームプロジェクター「UHD55」が該当します。これを例にして電気代を算出します。
UHD55の消費電力は330Wであるため、計算式にあてはめると1時間の電気代は約10.2円になります。
解像度4K・DLP方式のプロジェクターの1時間あたり・1日あたり・1か月あたりの電気代は以下のとおりです。
■解像度4K・DLP方式のプロジェクター(消費電力330W)の電気代
稼働時間 | 電気代 |
---|---|
1時間あたり | 約10.2円 |
1日(2時間)あたり | 約20.4円 |
1か月あたり | 約612円 |
- 参考:Optoma Corp.「UHD55」
解像度4K・DLP方式のプロジェクターは、高解像度かつなめらかで色彩豊かな投影方法であるために消費電力も大きく、今回ご紹介したプロジェクターのなかで最も電気代がかかります。
毎日2時間使用した場合の1か月の電気代は約600円で、解像度4K・3LCD方式のプロジェクターと比べて約24円高くなります。
解像度フルHD・DLP方式のプロジェクターの電気代
解像度フルHD・DLP方式の電気代は、Aladdin Xの「Aladdin X2 Plus」を例にご紹介します。
Aladdin X2 Plusの消費電力は160Wです。計算式にあてはめると、1時間の電気代は約5円になります。
これにもとづき、解像度フルHD・DLP方式のプロジェクターの1時間あたり・1日あたり・1か月あたりの電気代を算出すると以下のとおりです。
■解像度フルHD・DLP方式のプロジェクター(消費電力160W)の電気代
稼働時間 | 電気代 |
---|---|
1時間あたり | 約5円 |
1日(2時間)あたり | 約10円 |
1か月あたり | 約300円 |
- 参考:Aladdin X株式会社「Aladdin X2 Plus」
解像度フルHD・DLP方式のプロジェクターは、今回ご紹介した4タイプのなかで最も電気代が安く、毎日2時間使用しても1か月あたり300円程度に抑えられる結果となりました。
フルHDであるため、4KやWXGAよりも解像度が低くなる点には留意しましょう。
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プロジェクターとテレビにかかる電気代を比較
プロジェクターとテレビでは、電気代にどれくらいの差があるのでしょうか。
ここでは、解像度4Kのプロジェクターと4Kテレビの電気代を、1時間あたり・1日あたり・1か月あたりの3パターンで算出し、比較した結果をご紹介します。なお、電気代は、電化製品の消費電力にもとづいて下記の計算式で算出しました。
<電気代の計算式>
1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(31円/kWh)
プロジェクターにかかる電気代
プロジェクターにかかる電気代は、EPSONの4Kホームプロジェクター「EH-TW6250」を例にご紹介します。
EH-TW6250の消費電力は316Wで、上記の計算式にあてはめると1時間の電気代は約9.8円です。これをもとに、解像度4Kのプロジェクターの1時間あたり・1日あたり・1か月あたりの電気代を算出すると以下のとおりです。
■解像度4Kのプロジェクター(消費電力316W)の電気代
稼働時間 | 電気代 |
---|---|
1時間あたり | 約9.8円 |
1日(2時間)あたり | 約19.6円 |
1か月あたり | 約588円 |
- 参考:セイコーエプソン株式会社「ホームプロジェクター EH-TW6250」
テレビにかかる電気代
テレビにかかる電気代は、SHARPの4K液晶テレビ「4T-C55FN2」を例にご紹介します。
4T-C55FN2の消費電力は180Wで、1時間の電気代は約5.6円となります。
4Kテレビの1時間あたり・1日あたり・1か月あたりの電気代は以下のとおりです。
■4Kテレビ(消費電力180W)の電気代
稼働時間 | 電気代 |
---|---|
1時間あたり | 約5.6円 |
1日(2時間)あたり | 約11.2円 |
1か月あたり | 約336円 |
- 参考:シャープ株式会社「4K液晶テレビ FN2ライン」
4Kプロジェクターと4Kテレビの1時間あたりの電気代を比較すると、プロジェクターの方が約4円高いことがわかります。1日2時間、毎日使用した場合、1か月の電気代の差は約250円です。
プロジェクターとテレビのどちらを選ぶかを、単純に電気代の差だけで考えた場合、テレビの方がメリットがあるといえるでしょう。
テレビの電気代について詳しく知りたい人は、こちらの記事をご確認ください。

テレビの電気代は有機ELと液晶でどれくらい違う?1時間の電気代を比較
テレビの電気代が気になる人もいるでしょう。テレビの電気代を決める種類別の要素を比較します。また、電気料金を抑えるための節約方法について解説します。
プロジェクターはテレビの代わりにつかえる?
プロジェクターは、テレビの代わりにつかうことができます。チューナーを内蔵しているプロジェクターをつかうか、プロジェクターと外部のチューナーを接続すると、テレビとして使用可能です。
また、パソコンやDVDプレーヤー、ゲーム機などをプロジェクターと接続すれば、映画やスポーツ・ライブ映像、ゲームなどもテレビと同様に楽しめます。
プロジェクターをテレビの代わりにつかうことには、メリットとデメリットがあります。主なメリットとデメリットは下記のとおりです。
プロジェクターをテレビの代わりにつかうメリット
プロジェクターをテレビの代わりにつかうメリットのひとつは、大画面で映像を楽しめることです。小型のプロジェクターなら最大100インチ、より高性能のプロジェクターなら最大300インチもの映像を投影できます。映画やスポーツ観戦、ライブ映像などをテレビよりも臨場感たっぷり楽しめるでしょう。
また、プロジェクターはモニターが不要なため、テレビほどの設置スペースは必要ありません。機器はテレビよりもコンパクトで、使用しないときは収納可能です。
プロジェクターをテレビの代わりにつかうデメリット
プロジェクターは、明るい時間帯や照明をつけた明るい部屋では映像が見えにくいというデメリットがあります。照明を落としたりカーテンを閉めたりすれば問題なくつかえますが、部屋を暗くしてテレビを見ることに抵抗のある人には向いていないかもしれません。
また、プロジェクターは使用するとファンが回転し、動作音が発生する点にも注意が必要です。動作音の音量は機種によって異なるため、購入時に確認することをおすすめします。
プロジェクターの電気代を節約する方法

プロジェクターの電気代を節約する方法はいくつかあります。主な節電方法は次のとおりです。
消費電力がなるべく小さいタイプを選ぶ
プロジェクターの電気代を節約したい場合は、消費電力が小さいタイプを選ぶことをおすすめします。
プロジェクターには、コンパクトな機種やハンディータイプなど、小型・軽量のモデルがあり、従来の据置型の機種よりも消費電力が低く、電気代も安くなります。
ただし、小型・軽量だと解像度や輝度が落ちてしまうため、バランスのとれた機種を選ぶことが大切です。
機能がまとまった一体型プロジェクターを使用する
機能がまとまった一体型プロジェクターを使用することも、電気代を節約する方法のひとつです。
プロジェクターは、シーリングライトやスピーカー機能などと一体になった機種も登場しています。複数の機能が一体型になったプロジェクターを導入すれば、使用する電化製品の数を減らせるため電気代の節約につながります。
省エネ機能を活用する
プロジェクターを省エネモードで使用すると、電気代を節約することができます。
プロジェクターには、節電モードやエコモードといった省エネ機能を搭載した機種もあります。省エネ機能をオンにすれば輝度を調整して消費電力を抑えられるため、電気代も安くなるでしょう。
つかわないときは電源をオフにする
プロジェクターをつかわないときは電源を切ることも、電気代節約のコツです。
プロジェクターの多くは「スタンバイ機能」を搭載しており、この機能がオンになっていると、動いていなくても電気を消費しています。動かしているときより消費電力が小さいとはいえ、電気代は発生してしまうため、電源を入れるのはつかうときだけにするよう心掛けてください。
プロジェクターを上手につかって電気代を節約しよう

プロジェクターは、解像度や投影方法などによって種類がわかれています。ハイスペックになるほど消費電力が大きくなり、電気代が高くなります。
プロジェクターはテレビの代わりにつかうことができますが、テレビよりも消費電力が大きいため、購入を検討する際はメリット・デメリットをよく比較してください。また、プロジェクターは電気代を節約する方法が複数あるため、上手につかって節電しましょう。
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