ブレーカーが落ちる原因は?復旧方法や落ちないための対策も紹介

SHARE

「ブレーカーが落ちて電気がつかえなくなった」という経験を持つ人は多いのではないでしょうか。照明が必要な夜間や冷暖房が必要な時期にブレーカーが落ちると非常に困るため、いざというときの対処法を知っておくことは大切です。

なお、ブレーカーにはいくつか種類があり、それぞれ落ちる原因や復旧方法が異なります。そこで本記事では、ブレーカーの種類別に落ちる原因や対処法を解説します。併せて、ブレーカーを落とさないための対策も見ていきましょう。

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

目次

ブレーカーの種類と役割

一般家庭において「電気を安全につかうための制御装置」という役割を持つブレーカーには、いくつか種類があり、それぞれ役割も少しずつ異なります。種類や役割を把握しておけば、いざブレーカーが落ちたときにもスムーズに対処しやすくなるはずです。

分電盤の中にある複数のブレーカーは、「アンペアブレーカー」「安全ブレーカー」「漏電ブレーカー」の3種類に大きく分けられます。まずは、それぞれの特徴や役割を見ていきましょう。

建物全体の電気量を管理する「アンペアブレーカー」

アンペアブレーカーの役割は、住宅などの建物全体の電気の総量を管理することです。
契約しているアンペア数に収まるように適切に電気がつかわれているかを判断し、アンペア数の上限超過などの異常があると、ブレーカーを落として電気を遮断します。その結果、建物全体が停電して電気をつかえなくなります。
アンペアブレーカーには「30A」「40A」といった数字が記載されており、この数字が契約アンペア数です。

なお、近年は、電気使用量をデジタルで計測する、「スマートメーター」を導入する住宅も増えています。スマートメーターはアンペアブレーカーの機能を内蔵しているため、多くの場合、分電盤にはアンペアブレーカーが取り付けられていません。

各部屋や場所の電気量を管理する「安全ブレーカー」

安全ブレーカーの役割は、建物内の各部屋や場所ごとへの電気の供給量を管理することです。
建物内で分かれている各電気経路にスイッチがありますが、そのスイッチ一つひとつを安全ブレーカーと呼びます。

アンペア数は建物全体だけでなく、各部屋や場所ごとにも使用できる上限が決められていて、安全ブレーカーはこの各部屋や場所での電気使用量が適切かどうかを管理しています。
そのため、各部屋や場所でショートが起きたり、一定量以上の電流が流れたりすると、そのスイッチが対応している部屋や場所の安全ブレーカーが落ち、電気がつかえなくなるのです。

漏電を検知すると電気を遮断する「漏電ブレーカー」

漏電ブレーカーは、建物内の電気回路内に漏電を検知すると電気の流れを遮断するブレーカーで、感電や火災などを防止する役割を担います。スイッチ周辺に「漏電ブレーカー」と記載されているものが多いため、ほかのブレーカーとも見分けやすいでしょう。
アンペアブレーカーと同様に、漏電ブレーカーが落ちると建物全体が停電します。

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

ブレーカーによって異なる、落ちる主な原因と復旧方法

ブレーカーが急に落ちて停電すると、驚いて慌ててしまう人も多いかもしれません。落ち着いて行動し、原因を調べるようにしましょう。
落ちたブレーカーの種類によって、原因や復旧方法は異なります。ブレーカーが落ちたら、まずは停電しているのが特定の部屋や場所だけなのか、家全体なのかを確認してください。そして、分電盤を確認して、落ちたブレーカーを復旧させます。

なお、夜間や十分な明るさがない場所で復旧作業をすると、思わぬ事故につながるおそれがあるため、無理に行わないようにしてください。復旧作業を行う際には、必ず懐中電灯やスマートフォンのライト機能などをつかって、手元や足元を照らしながらの作業が必要です。

ここからは、3種類のブレーカー別に、落ちる原因と復旧方法について解説します。

アンペアブレーカーが落ちる原因と復旧方法

アンペアブレーカーが落ちる原因と復旧方法は、次のとおりです。スマートメーターを導入している場合にはアンペアブレーカーがなく、復旧方法も違うため注意しましょう。

・原因:電気のつかいすぎ

アンペアブレーカーの落ちる原因は、同時につかう電気の量が契約アンペア数以上になった場合です。
たとえば、契約アンペア数が30Aの場合は、その住宅内で同時に使用できる電気の量は30Aまでとなります。
この上限を超えるとブレーカーが落ちて電気回路が遮断され、住宅全体が停電します。
特に、電子レンジやドライヤーなど、消費電力の大きい電化製品を同時に使用している場合に落ちることが多いので注意しましょう。

・復旧方法:つかっていた電化製品をオフにして、落ちたブレーカーをオンにする

アンペアブレーカーの復旧方法は簡単で、基本的には落ちたブレーカーを再びオンにするだけで済みます。ただし、電気のつかいすぎによってブレーカーが落ちているため、ブレーカーをオンにする前に、それまでつかっていた電化製品の電源をオフにしたりコンセントを抜いたりして、復旧後につかう電気の量をできるだけ減らしましょう。

なお、スマートメーターを導入している場合には、電気のつかいすぎによって停電しても、10秒後に自動復旧します。10秒以上経っても自動復旧しない場合には、漏電遮断器が切れている可能性があるため、分電盤を確認する必要があります。

<アンペアブレーカーを復旧させる手順>
1. ブレーカーが落ちるまでつかっていた電化製品の電源を、一度すべてオフにします。
2. 分電盤で落ちたアンペアブレーカーをオンにします。
3. 電気の復旧を確認できたら、再びブレーカーが落ちるのを防ぐため、一度に使用する電気量を減らすようにしてください。

安全ブレーカーが落ちる原因と復旧方法

続いて、安全ブレーカーが落ちる原因や復旧方法を見ていきましょう。アンペアブレーカーの場合と原因や復旧方法が似ていますが、そのブレーカーが対応する場所だけを確認すれば良いという点が異なります。

・原因:部屋や場所での電気のつかいすぎ

安全ブレーカーが落ちた場合には、落ちたスイッチの回路に対応している部屋や場所で電気を同時につかいすぎたことが原因と考えられます。安全ブレーカーは、「玄関・リビング」「廊下」「洗面所」というように、対応する場所の名前と、その場所で同時に使用できるアンペア数が記載されているものもあります。

たとえば、アンペア数が「10A」の場合は、その場所で同時に使用できるのは10Aまでということ。そのアンペア数の上限を超えると電気回路が遮断され、その場所だけが停電してしまいます。
部屋や場所ごとに割り当てられているアンペア数は、住宅全体の契約アンペア数よりも少ないため、同時につかう電力量に注意しなければなりません。

・復旧方法:その場所でつかっていた電化製品をオフにして、落ちたブレーカーをオンにする

安全ブレーカーの復旧方法は、基本的にはアンペアブレーカーの場合と同じです。停電した場所でつかっている電化製品を一度すべてオフにしてから、落ちたブレーカーを上げます。電気が復旧したら、一度につかう電力量を調整しましょう。

<安全ブレーカーを復旧させる手順>
1. 安全ブレーカーが落ちた場所でつかっている電化製品を、一度すべてオフにします。
2. 落ちた安全ブレーカーをオンにします。
3. 電気の復旧を確認できたら、再びブレーカーが落ちるのを防ぐため、同時につかっている電化製品の数を減らせないか見直すようにしてください。

漏電ブレーカーが落ちる原因と復旧方法

続いては、漏電ブレーカーが落ちる原因と復旧方法をご紹介します。漏電ブレーカーが落ちた場合には、感電や火災につながる可能性もあるため、すぐに対処が必要です。

・原因:建物内の電気回路での漏電

漏電ブレーカーは、漏電の発生によって落ちますので、家庭内の配線の劣化や使用している電化製品の回路・コードの破損などが考えられます。電化製品の配線やコードの状態に、異常がないか確認しなければなりません。

・復旧方法:すべてのブレーカーを切り、原因を探って復旧する

漏電ブレーカーが落ちた場合は、火災や事故につながるおそれもあるため、復旧作業も慎重に行わなければなりません。すぐに漏電ブレーカーをオンにするのではなく、すべてのブレーカーをオフにした上で安全ブレーカーをひとつずつ上げていき、漏電箇所を特定する必要があります。
もし、漏電箇所が特定できない場合には、火災や感電など重大な事故が起きる可能性もあるため、必ず電力会社に連絡して対処してもらうようにしてください。

<漏電ブレーカーを復旧させる手順>
1. アンペアブレーカー、すべての安全ブレーカー、漏電ブレーカーをオフにします。
2. アンペアブレーカーをオンにし、漏電ブレーカーもオンにします。
3. 安全ブレーカーをひとつずつオンにしていきます。その際、ある安全ブレーカーのスイッチをオンにすると、漏電ブレーカーが落ちるはずです。そのスイッチと連動している電気回線のどこかで、漏電が発生していることがわかります。
4. 漏電箇所を特定できたら、再びすべてのブレーカーをオフにしてから、アンペアブレーカーと漏電ブレーカーをオンにします。
5. 漏電箇所以外の安全ブレーカーもすべてオンにします。
6. 漏電の可能性がある家電製品のコンセントを抜いてください。
7. 原因がわからない場合、あるいは配線の劣化が原因である可能性が高い場合には、電力会社へ連絡して対処してもらうようにします。

停電した際の対処法について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご確認ください。
停電のときの対処法

ブレーカーが落ちないようにするための対策

ブレーカーが落ちないようにするための対策・同時に使用する電力量を減らす・コンセントを分けてつかう・増設する・漏電対策をする・契約アンペア数を見直す

続いては、ブレーカーを落ちないようにするために、すぐに実践できる対策をご紹介します。
ブレーカーが頻繁に落ちると家の中が真っ暗になったり、電化製品をつかえなくなったりと非常に不便です。なるべくブレーカーを落とさないために、日頃から電気のつかい方を工夫したり漏電対策をしたりして、ブレーカーが落ちることを防ぎましょう。

同時に使用する電力量を減らす

一度に使用する電力量が一定数を超えると、ブレーカーは落ちてしまいます。消費電力の大きい電化製品は、なるべく時間差でつかうように心掛けましょう。

次のような電化製品は、特にアンペア数が高く消費電力も大きくなります。ほかの電化製品との兼ね合いも考慮しながらつかうことがポイントです。

<消費電力の大きい電化製品>
・IHクッキングヒーター(200V):20~30A(最大使用時58A)
・インバータエアコン(10畳用平均):冷房5.8A(起動時14A)、暖房6.6A(起動時20A)
・電子レンジ(30Lクラス):15A
・アイロン:14A
・IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時):13A
・食器洗い乾燥機(100V卓上タイプ):13A
・ドラム式洗濯乾燥機(洗濯・脱水容量9kg):洗濯時2A、乾燥時13A
・ヘアードライヤー:12A など

コンセントを分けてつかう・増設する

特定の部屋や場所だけよく停電する場合は、電化製品ごとにコンセントを分けてつかうこともおすすめです。
なお、タコ足配線や延長コードでプラグ数を増やしたとしても同時につかえる電気量は変わらないため、業者に依頼してコンセントを増設するのもひとつの方法といえるでしょう。

漏電対策をする

ブレーカーが落ちるのを防ぐためには、日頃から配線管理をして漏電を防止するようにしましょう。次の2つの対策が効果的です。

・タコ足配線はなるべく避ける

コンセントをたくさん挿せるタコ足配線は便利ですが、電気容量を超えるリスクがあり、電気コードへの負担も大きいです。なるべくコンセントに挿すコードの数は少なくして、一度につかう電力量を抑えるようにしてください。
また、タコ足配線はほこりが溜まりやすく、放置すると火災につながるおそれがあります。日頃からこまめに掃除することも大切です。

・水回りの電化製品はアース線を接続する

キッチンなどの水回りでつかう電化製品は、濡れた手のまま配線にさわらないようにするなどの注意も必要です。
また、冷蔵庫や温水便座などの水回りで使用する電化製品には、アース線の接続をするようにしてください。
アース線がアース端子に取り付けられていれば、万が一漏電しても電気を地面へ流してくれるため、感電を防げます。

契約アンペア数を見直す

電化製品のつかい方を工夫しても頻繁にブレーカーが落ちる場合は、電気会社との契約アンペア数を見直して、上限の高いプランに切り替えるのもおすすめです。

契約アンペア数は、つまり同時に使用できるアンペア数です。まずは実際に使用しているアンペア数を計算してみて、現在の契約アンペア数に対してどの程度不足しているのかをチェックします。
エアコンやクーラーをつかう季節や、出掛ける支度をする朝や家族がそろう夜など、普段の生活から電化製品を特に多くつかう時間帯も考慮して、最適なアンペア数を判断するようにします。

また、契約アンペア数の見直しを機に、契約先の電力会社の切り替えを検討するのもひとつの方法です。アンペア数を変更すると電気料金も変わるため、より料金を抑えられるプランで契約できる電力会社はないか比較してみましょう。

ブレーカーが落ちる原因がわからない場合は?

次のような場合でも頻繁にブレーカーが落ちるときは、電気のつかい方や配線トラブルが原因ではなく、ブレーカーそのものに不具合や故障がある可能性があります。

<ブレーカーそのものに不具合や故障が考えられる場合>
・同時に多くの電気を使用していない(契約アンペア数が不足していない)のにブレーカーが落ちる
・ショートや漏電も起こしていないのにブレーカーが落ちる

ブレーカーの交換推奨時期は、13~15年程度といわれています。長期間つかい続けることで経年劣化し、誤作動を起こしやすくなることもありえます。
このような場合には専門業者に点検してもらい、必要に応じてブレーカーを交換しましょう。

ブレーカーが落ちる原因を明確にして対策しよう

ブレーカーが落ちたということは、電気使用時に何かしらの問題が生じたと考えて間違いありません。まずは、原因がどこにあるのか把握した上で対処し、再発防止に努めましょう。

今回ご紹介してきたように、ブレーカーの種類ごとの役割を把握しておけばスムーズに復旧できる上、停電対策も立てやすくなります。
それでも頻繁にブレーカーが落ちてしまう場合には、契約アンペア数や契約先の電力会社を見直して、不便なく電気をつかえる環境を整えることをおすすめします。

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから

ドコモでんきで、お得なdポイント還元を実現。お申込みはこちらから
  • 2023年6月1日時点の情報です。
SHARE